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マンションのノウハウを商品企画に生かしたコスモスイニシア

戸建て分譲「コスモアベニュー清瀬パークサイドステージ」


モデルハウス

 コスモスイニシアの戸建て分譲住宅「コスモアベニュー清瀬パークサイドステージ」を見学した。同社の戸建てを見学するのは久々だったが、マンション分譲で培ったノウハウを企画に反映させており、同業も学ぶ点が多い戸建てだ。

 物件は、 西武池袋線清瀬駅から徒歩14分、埼玉県新座市新堀2丁目に位置する区画整理地内の全27区画の規模。1戸当たり土地面積は約110u、建物面積は約91〜98u、価格は4,000万円前後。分譲は年明けから始まっており、残りは1ケタ台。9月から順次入居が始まるが、全戸完成までに完売できる見込み。

 現地は、戸建て、アパートなどのほか畑などもかなり残っている区画整理地内。外構にはしっかり植栽を施し、御影石や門塀なども採用。建物外観にはタイルを張り、グレード感を高めている。玄関には大型のシューズインクロークとニッチを標準装備。リビングイン階段を採用し、その階段室を利用して下部と上部にそれぞれ収納を設置。廊下に面した階段上収納は布団なども入るよう工夫を凝らしている。居室の収納も2段・段違いハンガーを採用。居室は家族構成の変化に伴って間仕切りできるよう変更できるように下地処理を施している。

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 同社が都市型戸建て分譲に参入したのは1996年。資金回転率≠フよさが見直され、マンションデベロッパーなどの参入が相次いだころだ。以来、同業他社が撤退してしまったのとは対照的に、同社は継続して事業展開してきており、現在まで約3,300戸を供給している。年間にして200戸以上をコンスタントに供給してきたことになる。

 その当時から同社の戸建ては取材しているが、マンションのノウハウを水周りや収納、ウッドデッキバルコニーなどに生かしていたのが特徴で、その後、マンションと戸建てとの複合開発を他社に先駆けて採用して成功した。

 ここ数年間は見ていなかったが、外構、外観、水周り、収納などで他社との差別化を図っているのが確認できた。市況に左右されずコンスタントに供給してきたのが現在の商品企画に生かされていると思った。

 同社は三井不動産レジデンシャルが開発した「新三郷ららシティ」でも近く戸建て分譲を始めるので見学してレポートしたい。

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 最近、都市型戸建てが脚光を浴びている。戸建て分譲の着工戸数がマンションを上回る月もあるほどだ。いわゆるパワービルダーが息を吹き返し、業績が絶好調なのに注目し、マンション単品≠フデベロッパーが積極姿勢を見せているからだ。

 しかし、売れるからといって安易に参入するのは危険だ。パワービルダーのように低価格に徹すれば徹したで課題も浮上するだろうし、差別化を図るのも容易ではない。同じ轍を踏まないよう本腰を入れて取り組んでほしい。

(牧田 司 記者 2011年8月8日)