RBA HOME> RBAタイムズHOME >2011年 > 水回り新・三種の神器になるか東京ガス「ミストサウナ・ミスティ」 ![]() 「ミストサウナ・ミスティ」(東京ガス提供) |
大の風呂嫌いの記者はどんどん進化する風呂の機能についてほとんど気にも留めなかったのだが、「ミストサウナ・ミスティ( MiSTY)」なるものが最近気になってしょうがない。いつからか記憶は定かではないのだが、やたらとあちこちのマンションのモデルルームで見かけるし、販売担当者からも「ミストサウナの評判がいい」という声もよく聞く。これは捨てて置けないと思うようなになってきた。 そこで今回、「ミストサウナ・ミスティ」の販売に力を入れている東京ガスに取材した。対応してくれたのは、ミストサウナを含めたガスシステムをマンションなどの集合住宅向けに販売している営業部隊をサポートする同社リビング法人営業本部 営業第一事業部 集合住宅営業グループ課長代理の横山典子さん。 横山さんの話を紹介する前に、関係者は周知の事実なのだろうが、「ミストサウナ・ミスティ」がどのようなものか紹介する。同社のパンフレットには、にわかに信じられない「いいこと」がつらつらと書き連ねられている。笑うしかない。「冗談だろう」と。 その1。浴室はエステ空間。「化粧ノリ改善95%」「肌のうるおい改善90%」 その2。浴室はサウナ空間。「すっきりと汗がかける66%」「ドライサウナのように頑張って入るぞという感じがなくなる」 その3。浴室は健康ランドへ。「疲れがとれる64%」「リラックスできる75%」 その4。浴室はリフレッシュ シャワー空間へ。「リフレッシュできる75%」 その5。浴室はフィットネス空間へ。「すっきりと汗がかける66%」「ミスティは家でのホットヨガみたい」 その6。浴室はリゾート空間へ。「一人でゆったりできる 66 %」「仕事から帰ったら、毎日がリゾート気分」 その7。浴室はからだにやさしい空間へ。「温まった12人/20人」「全く息苦しくなかった14人/20人」「非常に安心13人/20人」 その8。浴室はクイックバス空間へ。「しっかり温まる71%」「5歳の子どもが大のお風呂嫌いなんですが、 MiSTY だと湯船につからなくても、身体があたたまるので助かってます」 その9。浴室はリビング空間へ。「週末は、家族そろってMiSTY大会。まるでリビングみたいに、お風呂でわいわい話しています」 ◇ ◆ ◇ 横山さんの仕事は、営業マンにはっぱをかけることだから当然なのだろうが、「いいことづくめ」で、パンフレットのコピーを補強するものばかりだった。 「発売開始したのは2004年から。ここ1〜2年で認知度が高まってきており、昨年のデータでは当社が営業エリアとする3万戸のマンションのうちMiSTYが装備されているマンションは約33%。今年の3〜6月では約44%に上昇している」 「野村不動産さんの『恵比寿』では MiSTY が標準装備されており、食洗機はオプションだった」 「今年の春からミストサウナの付いているマンションを検索できるようになった(日経住宅サーチにもその機能がある)。ミストサウナ付きを探しているお客さんがいるようです」 「ミストサウナは贅沢と考える人もいらっしゃるが、その逆で節電、節水にもなる。私たちは時短浴と呼んでいるぐらい。そのうちミストサウナはスタンダードになる」 「ミストサウナは心臓に対する負担も少なく、高齢者にも向いている。介護者は濡れなくてもすむ」 「カビパンチといってカビを除いてくれる機能付きもあり、掃除の時間が短縮できる。家事ラク商品でもある。手入れも簡単。1カ月に1回ぐらいフィルターを掃除するくらい」
◇ ◆ ◇ 記者は、約44%という普及率に注目した。「食洗機」が標準装備されているマンションはどれぐらいの割合を占めるかわからないが、記者の実感ではミストサウナよりは高そうで6〜7割りぐらいではないだろうか。食洗機が普及しだしてから 20 年ぐらい経過するが、ミストサウナの普及スピードは食洗機を上回っているかもしれない。 記者は、マンションの水回り設備機器の三種の神器として食洗機とIHとディスポーザーをあげるが、ミストサウナがどれかの座を奪うときがすぐそこにやってきているような気がした。横山さんは「残念ながらタイムラグでしょうか、今のところはミストサウナはそこまでヒットしていない」と話したが、自信満々の顔をしていた。 ◇ ◆ ◇ 「日本人は風呂好き」と言われるが、記者は小さいときから風呂が嫌いだった。嫌いな理由を列挙する。 @入らないと怒られる A長いとまた怒られる B服を脱ぐのが面倒 C冬は凍えそうに寒い D石鹸が目に入る E洗っても洗っても垢がでてくる F背中が洗えない G人の垢が湯船に浮かんでいる(最近はほとんど自分のもだが) H貧相な裸体を見たくない I洗い場をきれいにして出ないとまた怒られる−などだ。 そんなわけで、記者は毎日、だいたい毎朝、5分くらいシャワーを浴びるだけだ。湯船にはほとんど入らない。風呂から出てさっぱりした気分にはなるが、風呂は疲れがとれるどころか疲れがたまるだけと信じて疑わない。 今回は、横山さんの話を紹介したが、「現場主義」をモットーにする記者は横山さんやパンフレットのコピーを鵜呑みにするわけにはいかない。同社の西新宿のショールームにはミストサウナが無料で体験できるルームもあるので、近いうちに体験してレポートしたい。
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(牧田 司 記者 2011年7月26日) |