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期待通りの京急・大和ハウス「Riverie(リヴァリエ)」


「Riverie(リヴァリエ)」完成予想図

 京急電鉄(事業比率70%)と大和ハウス工業(同30%)の JV マンション「Riverie(リヴァリエ)A棟」を見学した。期待通りのレベルの高いマンションだ。

 物件は、京急大師線港町(みなとちょう)駅から徒歩1分、川崎市川崎区港町に位置する29階建て全455戸の規模。専有面積は64.55〜93.81u、予定価格は3,200万円台〜6,200万円台(予定最多価格帯4,000万円台)、坪単価は180〜190万円。竣工予定は平成25年2月。設計・施工は大林組。販売代理は京急不動産、コスモスイニシア。

 現地は、元コロンビアの工場跡地で、川崎市の「多摩川リバーサイド地区整備構想」に基づいて整備されるもの。全体敷地面積は約3.6haで、今回分譲されるA棟のほか29階建てB棟、30階建てC棟の合計1,408戸が計画されている。敷地北側には多摩川が流れている立地を生かし、建物は、大林組が特許を申請中の「DFS(デュアル・フレーム・システム)制振構造」を初めて採用。配棟は六郷橋方向に45度振ることで単調にならないようにしていると同時に、内廊下方式を採用して、住戸プランは北東向き、南東向き、南西向き、北西向きにし、それぞれ4プランから間取りが選べるようにしているのが特徴だ。

 住棟の完成に合わせ港町駅もリニューアルし,駅のバリアフリー化と、「Riverie」側に改札口を新設する。このほか、敷地内には認可保育所やコンビニエンスストア(デイリーヤマザキ)などの利便施設の誘致も決定している。

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 この沿線のマンションを見学するたびにどのようなマンションができるのだろう≠ニずっと思っていた物件だ。大師線は業界関係者でも知らない方がいるかもしれないが、このところのマンションの売れ行きはすこぶるいい。最近では、長谷工コーポレーションが施工した「ザクス」(322戸)「フォレシアム」(777戸)「パークホームズ グランファースト」(303戸)や、プロパストが分譲した「リヴィエ マーレ」(207戸)がことごとく人気になっている。昨年分譲の「パークホームズ」はわずか3カ月で完売となった。

 人気の要因は、沿線の再開発計画が進み、住宅地としても認知されてきたのと、アクセスがいい割に単価が低いからだ。川崎駅は、「ラゾーナ」の完成で人気が一挙に高まり、マンションで言えば坪170万円ぐらいだったのが、駅近では300万円近くまで上昇したことがある。さすがにリーマンショック後は下落したが、それでも駅近なら坪250万円が相場だろう。それと比べ支線の大師線が坪170〜180万円台というのはいかにも安い。むしろ子育てにはこちらのほうが環境がいい。

 今回の物件も、坪190万円を超えるとなると、戸数が多いだけに販売の長期化も予想されるが、予定価格なら早期完売は間違いない。多摩川と都内の眺望が期待できる北西向き、北東向きもなかなかよく、価格設定でも南東向き、南西向きと比べそれほど安くならないように思う。

 建物の配棟、デザインもいい。デザインでは、13階以上のコーナー部をオーバーハング(張り出し)させ、外壁タイルは基壇部が濃いグレーで上層階に向かうにしたがって白に近くなるグラデーションをかけ、白の水平ラインと淡いブルーのガラス手すりを採用している。

 平置き駐車場の屋上は庭園とし、共用施設の充実も図っている。設備仕様は、単価が単価だからこの沿線では普通かもしれないが、上層階3フロア(21戸)はグレードアップ仕様で、人気が出そうだ。今年の神奈川県を代表するマンションのひとつになりそうだ。

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 パンフレットには記載されていないが、近くには「川崎競馬場」と「川崎競輪場」がある。供給サイドも需要サイドも、これらはギャンブル施設で嫌悪施設と思っているからだろうが、記者は全然そう思わない。競馬や競輪をギャンブルと考えるから嫌悪を催すのだ。家族で楽しめばレジャー・行楽施設になるし、推理する楽しさは推理小説より面白い。「人間」を観察するのも面白い。

 とくに、競輪は究極の「人生劇場スポーツ」といえるかもしれない。口汚い野次には閉口するが、調子のいいことしかしゃべらない競馬の調教師や騎手とちがって、競輪選手は「先行」「番手」「まくり」などとしか語らず、ブレーキのない自転車を時速60〜70キロで駆ける。100回走って1度も勝てなくても黙々と駆ける。「同郷」「師弟」「兄弟」関係が色濃く残っている世界でもあり、駆ける姿は美しくもあり、悲しい。人としての生きかたも教えてくれる。このマンションに住めば、そんな楽しみも経験できる。

驚嘆の売れ行き 三井不動産レジデンシャル「パークホームズ グランファースト」(2010/11/9)

(牧田 司 記者 2011年6月3日)