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Wiki形式のサイト「住適空間(ステキクウカン)」の可能性

 マンションの評価・評判や口コミ、住まいに関する情報をWiki形式でまとめて見られるサイト「住適空間(ステキクウカン)」がある。新築マンションの購入検討者が、他の検討者と情報交換できる不動産専門掲示板「マンションコミュニティ」などを運営する「ミクル」(福井直樹CEO)が平成22年7月に開設したものだ。関係者の間ではよく知られているのだろうが、この種のサイトをほとんど見ない記者は全然知らなかった。そこで、アクセスしてみた。

 トップページの体裁はどこか「Wikipedia」に似ており、自由に記事を作成、編集できるのも「Wikipedia」とそっくりだ。

 いくつか具体的なマンションについて内容を見てみた。物件概要や設備機器、共用施設、生活利便施設などの情報はほとんど網羅されている。売れ行きや治安まで触れているものもある。「マンションコミュニティ」にもリンクされている。「悪意」の書き込みなどはないようだ。

 物件の数は、同社によると約4,800物件で、まだまだ少ないが、アクセス数は月間約20万件に上っているという。今後、物件の数がどんどん蓄積されれば、中古マンション情報としても貴重な情報源となるのは間違いない。さらに、月間のアクセス数が約1,900万件ある業界ナンバー1の「マンションコミュニティ」とリンクしているのも大きな武器だ。「Wikipedia」のように市民権を得る可能性は大きい。

 同社取締役の山下肖武氏は「マンションコミュニティへのアクセス数は同業他社をすべて含めてもその5倍はあるはずだ。先駆者利益を享受できているのが強みだ。これから期待しているのは『住適空間(ステキクウカン)』。情報の量と精度が高まっていけば、不動産仲介業者を通さずユーザー同士が直接取引する市場が構築されるかもしれない」と胸を膨らませている。

 懸念されるのは、「悪意の情報」をどのように排除するかだが、この点について山下氏は「運営者によるシステム管理および人的監視と、マンション住人によるメンテナンスが非常に重要」と話している。

(牧田 司 記者 2011年5月24日)