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子育て世帯向け賃貸住戸100戸満室稼働

 東京建物他「アパートメンツタワー勝どき」


「アパートメンツタワー勝どき」

 東京建物とイヌイ倉庫は1月25日、近く竣工する「子育て支援」と「地域との共生」をテーマにした賃貸マンション「アパートメンツタワー勝どき」の竣工披露説明会・内覧会を行った。

 同マンションは、都営大江戸線勝どき駅から徒歩2分の「都営勝どき一丁目団地」跡地に建設された地上45階建て全536戸の規模。建物は免震構造で、事業主は東京建物、イヌイ倉庫、東急建設、財団法人民間都市開発推進機構が出資した「かちどき GROWTH TOWN 株式会社」。貸主は東京建物不動産販売。 

 平成18年に行われた東京都による事業コンペに選定されたプロジェクトで、1〜3階まではコンビニ、認定こども園、小児科、ファミリーハウスなどからなる施設が入居し、4〜11階は子育て世帯向け住宅「グロースレジデンス」 100 戸となり、12〜45階は一般向け賃貸「スカイレジデンス」436戸となる。

 「グロースレジデンス」は、未就学児を扶養する世帯を対象としたもので、専用面積は55u〜64uで、月額賃料は132,000円〜154,800円。玄関周りにベビーカーや三輪車などを保管できるスペース付き。

 「スカイレジデンス」は、専用面積40〜119u、月額賃料146,000円〜580,000円。40階以上は食洗機、調光式ダウンライト付き。

 説明会には東京建物の常務取締役・柴山久雄氏とイヌイ倉庫の代表取締役社長・乾康之氏も出席。「関係会社のノウハウを結集して推進してきた」(柴山氏)「創業が82年前。今は約1,100戸の賃貸も運営しているが、勝どきに本社を構える当社としては感無量」(乾社長)などと述べた。

◇     ◆     ◇

 賃料は子育て世帯向けが坪当たり月額約 7,900円、一般世帯向けが約1.2〜1.6万円だ。子育て世帯向けは階数や方角などに関わらず同じ料金で、一般的な相場の3分の2ぐらいだという。すでに全戸満室になっており、平均倍率にすると2倍ぐらいの人気になったという。入居者は中央区中心の周辺区で、都外もあり、0〜2歳児の子ども世帯の比率が多いという。

 低層階には保育・教育を一体的に実施する区内初の「子ども園」(定員111名)のほか、遊具もあるプレイホール、じゃぶじゃぶ池、 NPO法人と連携した子育て支援サービスも受けられる。至れり尽せりの施設とサービスが受けられるのだから、人気になるのは当然だろう。家賃設定は東京都が条件として示した上限額のようだが、それでもかなり割安だ。

 「子どもは地域社会が育てるもの」という考えはその通りだろう。「子ども手当て」も分からないわけではない。しかし、坪当たりにして一般的な相場より月額4千円以上も安いのには驚いた。この賃貸住宅で育った子どもは地域や社会のために働いてくれるのだろうか。

  
遊具(左)と芝生広場

(牧田 司 記者 2011年1月25日)