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日本住宅建設産業協会 東北支部

被災地8社のホームページ更新は震災後1社のみ

 

 中堅のデベロッパーなどで組織する日本住宅建設産業協会会員会社の震災に対する支援状況調べようと、同協会のホームページを開いた。そこで、同協会は全国組織であり、地方の会員も少ないことを思い出したので、東北支部会員の紹介ページを開いた。全部で10社が会員になっている。このうち、本社が太平洋岸にあるのは福島県・浪江町の会社を含め仙台市や気仙沼市、八戸市など8社だ。

 大きな被害を受け、大混乱しているさなかにホームページの更新どころではないと承知しながら、無事を祈って1社1社クリックした。

 結果は、8社のうち震災後ホームページを更新して被害状況を伝えている会社は1社のみだった。仙台市宮城野区の「大東住宅」だ。高橋社長に了解を得たので、3月18日付の「心よりお見舞い申し上げます」と題した高橋社長のメッセージを紹介する。

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 実際に、多賀城・塩釜・七ヶ浜などの被災地に入り、この目で確認してきましたが、M9.0という日本の観測史上最大規模という地震・津波の影響による甚大な被害の大きさと自然の脅威に、ただただ唖然とするのと同時に人間の無力さを痛感しております。

 今回の地震では、津波の影響を受けなかった地域のお客様のお宅では、エコキュートの倒れや蓄暖のズレ・クロスや外壁の割れという被害は一部であったものの、大きな被害は発生していない模様ですが、当社で建築させていただいた、亘理・岩沼・名取・荒浜・仙台新港・塩釜・東松島・石巻・女川・気仙沼など、沿岸部のお客様の中には、津波の影響により大変な被害に遭われたお客様が多数いらっしゃる現状でございます。

 おかげさまで、弊社・並びに社員は、とりあえずは無事でしたが、まだ多くの社員が避難生活を強いられていたり、ライフラインの復旧並びにガソリンなどの取得難により、身動きが取れとれない状態にあり、万全の体制とは言えませんが、とにかく動ける社員が総出で、地震翌日より、被害状況の把握と復旧作業に向けての取り組みに向けて、全力をあげて取り組んでおりますので、何卒よろしくお願い申し上げます。

大東住宅株式会社
代表取締役 高橋 一夫

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 浪江町のある会社のブログは3月5日午前9時4分以降更新されていない。そのブログは「ひとりごと」と題したもので、「本社に太鼓の音が響いてきました 浪江駅前にてせんだん太鼓が演奏されていました 近づくとお腹に響く音がとても心地よく癒されました…」

 「せんだん太鼓」とは、正式には「標葉せんだん太鼓」と呼ぶそうで、「標葉 ( しねは ) とは、元弘元年、この地 ( 福島県双葉町 ) に初代胤衡祖父標葉隆連築城以来三代にわたり続いた「標葉城」を由来とし、せんだんとは、双葉町の町木『せんだんの木』を由来としています。所在地:福島県双葉郡双葉町」(標葉せんだん太鼓保存会ホームページより)とある。

 報道によると、浪江町の約17,800人、双葉町の約6,900人が福島原発の20`圏内にあることから避難生活を余儀なくされている。地域の人たちが、地元で「せんだん太鼓」を叩き、聞くことができるのは果たしていつのことだろうか。

 この浪江町の会社を含め全ての東北支部の会社と社員の方々が無事であることを祈るのみだ。ほぼ1週間に一度、更新されてきた日住協のホームページが3月18日以降更新されていないのも気になる。

(牧田 司 記者 2011年3月29日)