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勇気をもらったオープンハウスにエール送りたい


  世の中は「自粛」ムード一色だ。地震の大きさは世界最大級で、死者・行方不明者は3万人近くに上り、首都圏も甚大な被害を受けた。新浦安や千葉市美浜区の液状化は、人的被害は皆無だったものの、「砂上楼閣都市」の脆さを露呈した。計画停電が実施され、ビルの消灯、エレベータの停止が続く。都知事選の選挙カーの声も全く聞こえない。心を癒してくれるはずのサクラも固くつぼみを閉じたままで、暗い気持ちを一層暗くする。原発問題の先行き懸念は広がる一方だ。

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 震災後、記者の仕事も全て消えた。予定されていた取材はほとんど全てキャンセルとなった。取材フィールドであるマンションは1件も見ていない。新浦安や千葉市美浜区の被災状況を見学し、デベロッパー各社の義援金の額をホームページからコピーしウェブに貼り付ける作業は行ったが、これは本来の仕事ではない。地震だけの影響ではないだろうが、震災後、体重は5%も減った。

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 危急存亡の秋だ。100年に一度と言われたリーマンショックからまだ完全に抜け出せていないこのときに、さらに厳しい自然の仕打ちを受けた。しかし、だからこそ頑張らなければならない。大海の小船のように揺らされながら、新浦安や千葉市美浜区の住宅やマンションはしっかり立っていた。わが国の建築技術の高さを目の当たりにした。復興期にはこの技術が生きてくるはずだ。

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 この最悪の時期でも、粛々と事業を行い、かつ震災支援にもどこよりも早く名乗り出たデベロッパーのことは明記しておきたい。オープンハウスグループだ。

 同社グループは、被災者の復興支援のための義援金として3,000万円を拠出し、グループ従業員が募金した15,469,500円を含め合計約4,550万円の寄付を行うとホームページで公表した。 2010年9月期の売上高が497億円(前期比67.3%増)と業績が好調だからこそできるのだろうが、一部の大手デベロッパーを除けば、義援金の額は5,000万円のタクトホームと双璧をなす。

 分譲マンションの売れ行きも依然好調のようだ。供給エリアはこれまでの準都心部から都心部へ移行している関係で、即日完売というわけには行かないが、昨年分譲の「オープンレジデンス白金台」(27戸)「オープンレジデンス島津山」(21戸)は完売し、「オープンレジデンス高輪台」(50戸)が残り2戸、「オープンレジデンス御殿山」(22戸)が残り2戸と完売は近い。この他在庫はない。

 そして、先週末から分譲開始した「オープンレジデンス赤坂テラス」(34戸)は、何と坪単価295万円。地型にやや難があるが、相場としては坪400〜500万円のエリアの一角だ。圧倒的な単価の安さと低層のメゾネットプランがユーザーの心を捉えるか。週末はごった返したと聞く。

 このような会社から勇気をもらえるのが嬉しいし、同社には「もっと頑張れ」とエールを送りたい。

(牧田 司 記者 2011年3月28日)