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落ち込んだ記者を救ってくれた2羽のハト 交尾を激写

  
人目もはばからず交尾するハト


  巨大地震による被害の実相が明らかになり、さらに原発の問題が深刻化し、記者はこの先どうなるのだろうと落ち込んだ。チェルノブイリと同じではないか、株価はどうなるのか、電力供給不足が深刻になれば製造業へのダメージはどうなるのか、経済被害は阪神淡路の数倍どころか10倍の100兆円になるのではないか、消費マインドの冷え込みでマンションが売れなくなるのではないか、長期金利の上昇で住宅ローンはどうなるのか、中国に身売りするしかないか…などと考えながらずっと下を向いて西新宿の通路を歩いていた。

 すると、どうしたことか。2羽のハトがくっついたり離れたりしていた。喧嘩でもなさそうだ。そのうちに、公衆の面前でキスをしだした。「へぇー、たいしたもんだ」と思って見ていたら、人目をはばからずオス(メスとの区別はつかないがオスに間違いない)がメスの背中に飛び乗り、交尾を始めた。通行人に邪魔されたのか、オスはすぐに降りたが、再びメスに飛び乗った。ほんの数秒間だった。

 交尾が成功したかどうかは分からないが、生まれて初めてハトの交尾を身近に見て、撮影にも成功した。落ち込んでいた記者を救ってくれた。ハトの交尾に気がついた人はほとんどなさそうで、真っ直ぐ前を見て歩いていた。記者のように落ち込んではいない人ばかりなのか、それともハトの交尾を見る余裕もない人かどっちだろうと、記者はまた考え込んでしまった。

 ハトは平和の使者というではないか。福島原発まで飛んで、政府より早く「平和」「安全」の便りを運んできてくれないか。

(牧田 司 記者 2011年3月16日)