好投手対決　ケンに軍配　小笠原１安打完封

住友不動産　中須力投も貧打拙守で援護できず

　この日一番の注目カードは、10－０でケンコーポが大勝。打撃不振だった笠が住友のエース中須から決勝適時打を放った。徹底したセンター返し狙いで中須を攻略した。小笠原投手は１安打10三振を奪い完封。中須は笠に決勝打を打たれたあとは味方の拙守もあり崩れた。

　ケン小笠原、住友中須の料投手の緊迫した投げあいは５回まで続いた。放った安打はケンが小笠原の１本のみで、住友も中須の１本のみ。

　動いたのは６回。ケンはこの回先頭の２番矢澤が四球を選び、盗塁を決めた１死後、４番笠が外角ストレートをジャストミート、投手返しの中堅前安打となり矢澤が本塁に踊りこんだ。すると続く小笠原は中堅越え３塁打を放ち笠が生還。その後は敵失と９番小川の適時打などで大量５点を挙げた。

　　　　
ケン小笠原（左）と住友中須　　　

　７回にも１死から４連続四死球の押し出しと相手の拙守に付け込みこの回も５点をもぎとった。野手もﾉｰエラーで小笠原を盛り立てた。ケンの〝アキレスケン〟と思われていた金子３塁手は３度の守備機会を落ち着いてさばいた。

小笠原は快調に投げ７回を１安打、奪った三振は毎回の10個。四死球は１個のみだった。

　住友はケンの厚い壁に阻まれ、なすすべがなかった。放った安打が中須の１本のみで、走者も死球で出塁した１人のみ。残塁はわずか２だった。

　中須投手は、笠に打たれたあとは崩れた。自責点は6だったように味方の拙守にも泣いた。午前中に他の試合で８回を投げており、酷暑のダブルヘッダーの影響もあったようだ。

○田辺監督　４番（笠）と９番（小川）がいい働きをした。小川は矢澤、羽中田、小笠原と同期の４人組の一人

○笠　今年初安打。やっと本来のスピードのある投手と対決できた。２週間前に３人目の子どもが生まれたばかりで、かみさんが応援にこないのはそのため（先週は「もう僕の打席はなくなっちゃうかも」とすっかりしょげ返っていたので「笠は衰えた」と発奮させるため書いたが、見事応えた）

○小笠原　相手はいい投手。僕のストレートもそんなに負けていないと思うが（投球の幅では中須を上回る）

○羽中田　花嫁募集中と書いて（写真を撮ろうとしたら拒否された）

●平元監督　レギュラーを４人欠いた。キャッチャーミットを忘れてきたためケンさんに借りた。いい試合だったが、最後は守りがバタバタとなった（ケンに借りたミットで捕手は２度も平凡な送球を落球。失点となった）

　　　　　
左からケンの売り出し中の小川、住友不の平元監督

　　
ケンの祝勝会（左の写真の右が笠、左が田辺監督。右の写真の左が矢澤、右が小笠原）

「りゅうたくん、話し相手になれずごめんね｣

　住友不動産・平元監督のお子さん「りゅうたくん」が応援に駆けつけた。約1年ぶりの再会だ｡３年生になったりゅうたくんはずいぶん大きくなったと感じた。身長は132センチだという。

　昨年は、試合開始から終了するまでずっと付き合わされたが、今年は中須－小笠原の世紀の対決も見なければならないし、他の試合の取材もあったので、少ししか話せなかった。ベースボールクラブ（ＢＢＣ）に通い野球を始めたのだそうだ｡

　りゅうたくんは試合途中で「つまんない」を連発していた。今年は昨年と異なり、たくさんお姉さんたちも応援に駆けつけていたが、りゅうたくんは記者と違い女性にはあまり興味がないのだろう。

　次は試合が少ないから、ちゃんと付き合うからね｡また来てね｡

「カーブってどう投げるの？　」中須とはしばし野球談義に花を咲かせていた

（牧田司記者　平成22年7月26日）