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ミサワホーム東京がコールド勝ち　渡部2失点完投

ミサワホーム渡部投手

三菱地所リアル　若手の台頭あり来期に期待

　負ければ予選敗退するチーム同士の対決は、ミサワホーム東京が10−２でコールド勝ち。エース渡部が２失点完投。敗れはしたが、地所リアルは落合投手や篠宮など若手の台頭もあり、来年に期待を持たせた。

　ミサワは初回、2死満塁から6番内村の2点適時打で先取点を奪った。同点に追いつかれた4回裏には、2死から3連打と四球などを絡めて一挙5点を挙げ再びリードを奪った。5回には上位打線の連打でダメ押しの3点を加点してコールド勝ち。1番山田の3安打猛打賞など1番から6番まで10安打を放った。

ベテランエース渡部は 4 回にやや乱れたが、 2 安打 2 失点完投。

　三菱地所リアルは4回、3番落合、4番篠宮が連続四球を選び、5番遠藤の安打で1点、さらに7番城の安打で同点に追いついた。なおも1死満塁の好機をつくったが、後続を断たれ流れを変えられなかった。 　

三菱地所リアル落合投手

　しかし、落合投手は試合をつくり、篠宮を中心とする若手も増えており、来期に期待を持たせた。三井不動産と三井不動産レジデンシャルのように、三菱地所 、三菱地所レジデンス、三菱地所リアルエステートサービスがそれぞれ参加することもありそうだ。

○内村監督　（前試合のミサワ神奈川に）わざと負けた？　うちにそんな余裕はありませんよ。（相手の）清水がいい投球をした

●榊監督　まあ、試合をつくれた。来年は三菱地所レジデンスに転籍する選手も4〜5人いるが、チームを2分はしたくないし、どうなるか

3安打猛打賞のミサワホーム山田

　　
三菱地所リアル榊監督　梅雨が明けたと思ったら、もう今年の夏が終わった…

5歳の女の子にして父を超えた　野球の本質を見抜く

　ミサワホーム岡崎が打席に立ったときだった。4回の裏、1点を勝ち越し、なおも2死1塁の場面だ。ベンチから声が飛んだ。「パパ、頑張って。デッドボールでもいいよ」

　その声は、野村アーバン木内監督のようなブブゼラでもなく、甲高い脳波を狂わせるようなすみしん田代捕手の声でもなかった。ささやきにも似た、それでもよく通るヒバリのような黄色い、神の声のようだった。

　この神の声は岡崎の耳にも届いたはずだ。緊張感を解くのに十分な声であった。岡崎の当たりそこねの球が3塁前に飛び内野安打となった。ここから保田が内野安打を放ち、平岩、勝又が四球を選び、内村の2点適時打につながった。この回、大量5点をもぎ取り、試合の趨勢は決まった。

　岡崎は、これまでもよく奥さんと娘さんをグラウンドに連れてきた。記者も何度も写真を撮っている。しかし、娘さんがまさか野球の本質を見極めるところまで達しているとは夢にも思わなかった。

　「デッドボールでもいい」。記者は何のリスクもない四死球を選ぶことこそ名選手だと思っている。この日、岡崎は4打席2打数2安打の活躍で、4打席とも出塁した。すみしんは13点を奪ったが、四死球の数は17個だった。前試合でオープンハウスの好投手北原は4回投げ12のアウトを取るのに12個の四死球を与えた。いかに四死球が大事かを端的に物語っている。