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第22回RBA野球大会 日曜ブロック

無念残念 青山メインランドの出場辞退

全投手は吉井氏に学べ

 

 既報の通り、第22回RBA野球大会に初参加した青山メインランドが1試合で出場を辞退することになった。

 エースで監督の吉井晃氏(42)が20日の試合で全治2カ月の肉離れを起こし、他にも1人が肉離れでリタイアし、抑えで好投した進藤も長いイニングを投げられない状態であるため、野球はもちろん仕事にも差し障りが出る事態を招いたからだ。

 吉井氏の素晴らしい投球が見られないのは残念だが、やむをえない。同社のチームには吉井氏ばかりでなく、同郷のクラブチーム出身の山梨捕手や鎌倉学園で主将を務めていた石井選手らつわもの揃いだ。じっくり怪我を治し、来年こそ万全の状態で出場してほしい。西原社長も支援しているようだ。

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 吉井氏は電話口で「申し訳ない」と何度も謝った。ふがいない姿を見せてしまったことを悔いた。

 記者は、いかに元プロとはいえ40歳を過ぎて仕事も忙しいだろうから本気で投げないだろうと思っていたが、吉井氏はそうではなかった。この間の一連の記事に「相当プレッシャーを感じた」と吉井氏は語ったように、元プロとしてレベルの高い野球を見せようと本気で思ったようだ。その心意気がうれしい。しかし、「錆びついた肩」は何とか調整できても、足腰の衰えはいかんともし難かったのだろう。

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 記者は昨日、吉井氏の言葉に「プロ魂」を見たと書いた。言葉もそうだし、投球そのものも、さすがプロと思える内容だった。痛さに顔をゆがめながら草野球チームの選手に全力投球する姿は感動的でもあった。

 吉井氏は、初球に何を投げるか注目した。吉井氏は「得意球はシュート」と語っていたが、そのシュートを三井不動産レジデンシャルの先頭打者川崎の初球に投げた。ストライクともボールとも取れる際どい球だったが、判定はボールだった。この1球を見て、記者は「本気」を感じた。

 2球目は、高めの外のストレート。やや甘く入った。川崎は「しめた」と思ったはずだ。しかし、打球は詰まり力ないセカンドゴロに倒れた。次打者の秦野は投手ゴロ、3番の渡辺は1塁フライ。吉井氏が3人に投じた球数はわずか7球だった。

 その後も、打たせて取るピッチングに終始した。2、3球は胸元をえぐるシュートを投げた。やはりプロでも緊張するのかと思ったシーンもあった。1点先取した次の回は抑えようと力み、2つの死四球を出した。打たれる雰囲気はなかったが、主軸には力を込めていた(万全だったら、どんな球を投げたのだろうか)。

 吉井氏がコントロールがいいのは、現役を退いた後バッティングピッチャーを務めたからでもあるのだろう。いかに抑えるかと、いかに打たせるかは本質的には同じことなのだろう。

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 記者は、この吉井氏の投球を投手全員が学んでほしいと思う。投球数をいかに少なくするかが、酷暑の大会では重要になる。力任せでなく、緩い球で討ち取ることを学んでほしい。強打者ほど緩い球を打てないはずだ。好投していた投手が3〜5回に突如制球を乱すのは全てばてるからだ。球数を増やすことは急速に体力を奪うことを肝に銘じて欲しい。

 日曜の試合では、菱重エステートの佐々木投手にはとくに省エネ%葛を身につけてほしい。あれほど素晴らしいストレートを持っているのに死四球を乱発するのが理解できない。

 それでも佐々木投手は、元ベイスターズの千葉英には絶妙の投球をして討ち取った。第1打席はキレのいいスライダーでセカンドゴロに討ち取り、2打席目ではシュートで詰まらせサードゴロに封じた。あの投球ができれば、菱重エステートは4強はともかく、間違いなく8強に進める。4回投げて打たれた安打は4本しかないのに、8死四球とは信じられない。

 その点、三井不動産販売の東投手は成長≠オた。歳もあるのだろうが、むきにならず変化球を使えるようになった。20日の試合でも打たれた安打が3本で、許した死四球は3個だけだった。以前ならその倍は配給していたはずだ。

 元ベイスターズの千葉英も軟球になれてきたようだ。20日の試合では4回投げ被安打は1のみで、与えた死四球は5個だった。それでもまだ多いが、昨年と比べると長足の進歩だ。千葉英は「僕は最近、軟式もやっているんです」と語った。

吉井監督兼投手 全治2カ月 青山メイン出場辞退

RBA初参加の青山メインランド 監督兼部長でエースは元横浜ベイスターズ吉井晃氏(5/19)

(牧田 司 記者6月22日)