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「おれはペンを持たない。スマートフォンだけ」

不動産データ&ジャーナル社(FDJ社) 浅見社長


浅見社長

 
  昨日(4日)、先輩記者の「不動産データ&ジャーナル社」編集兼発行人・浅見貞男氏(63)と、経済ジャーナリストのC氏と神田の居酒屋で懇談した。お互いの健康や仕事の話になった。話題はもっぱら浅見氏の酒や仕事についてだった。

 どこでどうなったのか覚えていないが、やおら浅見氏は上着を広げ、「俺は2月からペンを持たない記者になった。不動産業関係でペンを持たない初めての記者になった。ポケットに入っているのはスマートフォン」とのたもうた。

 これには記者も驚いた。記者にとってペンはなくてはならない商売道具だ。そのペンを捨てることは、記者を辞めることに等しい。浅見氏も記者も少し酒は入っていたが、酔っ払うほどではなかった。

 浅見氏は「スマートフォンはPCより便利なツール」と語った。しかし、浅見氏は、ペンがなくても記事が書ける、PCより便利なスマートフォン≠ノついて多くを語らなかった。そこで記者はカミさんに電話して聞いた。「スマートフォンって何だ? 」「スマート本? 」「本?  BOOK じゃない。カタカナでフォン」「そんなの知らない」…全然要領が得なかった。

 上着を広げ、ペンを持っていないのを記者に見せたので、記者はとっさにカメラを構え浅見氏を撮った。浅見氏が曰く。「それを明日、記事にしていい」と。

 そして、記者に向って曰く。「いかにも記者の印みたいなペンを持つな。人の迷惑も考えずにフラッシュをたくな」と。

 そこで思い出した。「俺はペンを捨てない」と豪語した男のことだ。記事は足で書くもの、心で書くものということを全然理解できていなかった男だが、その後、読み応えのある記事を読んだことがない。

◇     ◆     ◇

 記者の商売道具の紙は何でもいい。そばにあるものは何でも使う。箸紙はよく使う。

 しかし、ペンは別だ。万年筆にこだわるのは、書きいいからだ。運筆では芯が減るし、ボールペンは硬くて書きづらい。かつて使っていたペリカンやモンブランもよかったが、いまは7年前にもらった安物(といったらしかられるか)のパイロットを大事に使っている。ペンを捨てる気はさらさらない。

 ◇     ◆     ◇

 スマートフォンを辞書で調べたら「音声通話以外に、インターネット接続、スケジュール管理、メモ帳など、 PDA と同等の機能を持つ携帯電話」(大辞泉)とあった。PDAはもちろん何のことか分からない。

 記者は、携帯で満足にメールも送れないが、ペンなしで記者が勤まる時代になってきたということか。浅見氏は「俺のライフワーク」と語る不動産のIT・インターネットについて積極的に情報発信してい革命児≠セ。

 詳細は「不動産データ&ジャーナル社」ホームページ http://www.fdj.com/fdj2/  へ。

(牧田 司 記者 2010年2月5日)