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穴吹興産 首都圏初&外断熱初

「アルファステイツ世田谷一丁目」


「アルファステイツ世田谷一丁目」


 穴吹興産の首都圏初で同社初の外断熱マンション「アルファステイツ世田谷一丁目」を見学した。

 物件は、東急世田谷線松陰神社前駅から徒歩4分、世田谷区世田谷一丁目の第一種・第二種低層住居専用地域に位置する地下1階地上4階建て全21戸の規模。1期8戸の専有面積は32.44u〜69.38u、価格は2,890万〜5,550万円。施工は五十嵐建設工業。設計・デザインは泉孝一エフ・アイ・オウアソシエイツ代表取締役。建物は平成22年11月上旬に竣工済み。販売代理はシュトージャパン。

 物件の最大の特徴は、松蔭神社通り商店街を抜けた住宅街の一角にあることと、外断熱工法を採用していることだ。完成販売であるため、外断熱のよさが実感できるのもポイントだ。

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 リーマンショック後、康和地所は破たんし、明豊エンタープライズも「シェルゼ雷門」しか供給していないはずだ。ナイスは先に分譲した外断熱&免震の「アルシア大森」を単価279万円だったにも関わらず早期完売している。「外断熱」はそれだけ希少性が高く、ユーザーにそのよさを訴えきれれば早期完売は間違いない。すでに優先分譲で10戸ぐらい契約済みだという。

 同社は、広告表示で「三軒茶屋駅から徒歩20分」とも表示しているが、歩いて2分の「松蔭神社前」バス停から渋谷や五反田への直通バス路線もあるようだから、こちらを訴求しても効果があるのではないか。モリモトは早期完売した三軒茶屋駅から徒歩 13 分(松陰神社前から徒歩6分)の「ピアース三軒茶屋」を販売するのに、渋谷へ直通のバス路線があることを訴えて成功している。

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 いまさら外断熱工法のよさを説明するまでもないが、若干触れておこう。記者は、外断熱マンションについては、もっとも早くから同工法を積極的に採用していた康和地所や明豊エンタープライズ、ナイスなどの物件を相当数取材しているし、同工法が採用されたマンション・ホテルに何度も宿泊もしているのでそのよさがよく分かる。

 モンゴルでは、零下30度の真冬にホテルに宿泊した。間違いなく外断熱だった。壁の厚さは50センチはあった。夜、アルコール度数が40度を超えるウォッカをしこたま飲み、部屋に帰ってそのままほとんど下着姿でソファの上で寝込んでしまった。気がついたら朝だった。全然寒くなかった。もちろんホテル全体が快適だった。

 明豊エンタープライズのモデルルームにも体験宿泊した。同社は、目黒に外断熱マンションに宿泊体験できるモデルルームを設置していたが、同社に頼み真っ先に億ションタイプに宿泊した。

 今回の「アルファステイツ世田谷一丁目」でも、その快適性は証明されるはずだ。同モデルルームでは、朝7時〜9時まではリビングの床暖房を作動させているが、その他の時間帯はオフにしている。記者が取材したのは11時ごろだったが、外気温は11.9度。モデルルームのリビングは21.3度、洋室は21.3度、洗面室の壁は20.8度、浴室は21.6度、トイレは19.2度だった。地階と1階のメゾネットタイプの気温は洋室が22.6度、浴室が21.9度、トイレが21.1度だった。躯体の気温も測ってもらったが、20.4度あった。内廊下の気温は14.9度だった。

 10畳大〜14畳大のリビングの床暖房をわずか2時間だけの作動で、これだけの蓄熱効果があることが分かる。

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もう一つ、穴吹興産について触れておこう。何しろ首都圏で初めてマンションを分譲するのだから当たり前だが、記者は、この会社をほとんど知らない。先に破たんした穴吹工務店と本拠を香川県高松に構えているので、兄弟会社だと思っていたが、全然違うことを数年前に知ったばかりだ。

 同社社長の穴吹忠嗣氏は、穴吹工務店の元社長・穴吹英隆氏の実弟。両社に資本・人的関係は全くない。むしろお互い競合相手で、反目しあっているといったほうがいいようだ。

  
躯体の温度は20.4度              リビングの温度は21.3度で外気温は11.4度

(牧田 司 記者 2010年12月21日)