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総合的なレベル高い大京「ザ・ライオンズ武蔵国分寺公園」


御影石を用いた「ザ・ライオンズ武蔵国分寺公園」エントランス(完成予想図)

 

 大京は2月3日、国分寺市の市立第四小学校跡地の事業コンペに当選した複合開発プロジェクトマンション「ザ・ライオンズ武蔵国分寺公園」のプロジェクト発表会を報道陣向けに行った。モデルルームオープンは3月6日から。販売開始は3月中旬。

 物件は、JR中央線「西国分寺」駅下車徒歩9分、国分寺市西元町2丁目に位置する5階建て全125戸(住居121戸、診療所2戸、店舗1戸、介護支援相談所1戸)の規模。専有面積は約62〜101平方b、予定価格は3,700万円台〜7,500万円台(最多価格帯4,800万円台)、予定坪単価は220万円前後。竣工予定は平成23年2月18日、施工は大末建設、設計は日建ハウジングシステム。

 国分寺市が07年11月にコンペを実施。応札した7社の中から同社(申請時は扶桑レクセル)が選ばれた。開発区内に社会福祉法人「にんじんの会」が運営する介護老人保健施設や公園・地域交流スペース、歯科・医療クリニック棟を併設し、省エネ、ユニバーサルデザインなど開発地の地区計画にマッチしたプランが高い評価を得て、同社が落札したという。

 住宅版エコポイント対象としたほか、珪藻土クロス、突き板仕様のフローリング、御影石などの自然素材の多様、日大理工学部監修のもと策定した 181 項目の「大京ユニバーサルデザイン基準」の適用などが特徴。

 発表会で挨拶した同社業務執行役員・立石恭司氏は「市のコンペの設計基準で当社は86点を獲得。2位は70点台だから大きな差をつけて選ばれた。当社のフラッグシップマンションである物件名に冠『ザ・ライオンズ』をつけたマンションは全国で13棟目。全社上げて取り組んでいるプロジェクト。反応もよく、先の30日、31日に行った事前説明会には2日間で150組の来場者があった。早期完売を目指す」と語った。

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 記者が注目したのは、市のコンペで審査基準となった設計基準(100点満点)と価格基準(30点満点)のうち価格基準であった。大京の提案は設計基準で2位以下を大きく引き離す86点を獲得した。一方、価格基準は29点だった。

 市の審査基準によると「最低価格は27億円とし,最低加点を15点とする。27億円を下回る提案は受理しない。32億6千万円を超える価格は全て最高加点30点の配点とする」とある。

 つまり、入札価格が高いほど評点が挙がることになっており、最高は30点満点で、同社は29点だった。もっとも低いのは16点だった。

 これはこれで結構だ。市の財産を売却するのだから入札価格が高いほうに高得点を与えるのは当然だ。記者は、高ければいいというものでもないと考えるので上限を設けるのも賛成だ。あらかじめ点数配分を公表するのも、入札する側にとってはありがたい。

 ただ、素晴らしい設計をしたところにはボーナス点を与えるのもいいと思うがどうだろう。例えば100点満点を獲得したところには10点加算して、入札価格が低くても落札できるようにすれば双方にとって大きなメリットがあるのではないか。

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 もう一つ、注目したのは「大京のユニバーサルデザイン」についてだった。事業コンペに応札したのは扶桑レクセルだということを後で聞いたのだが、これはこれで嬉しかった。記者は扶桑レクセルのユニバーサルデザインこそ業界の最先端を行くものだと思っていたからだ。この点が審査員からも高く評価されたのは間違いない。

 しかし、モデルルームを見た限りでは、扶桑レクセルが標準仕様としていた@フラットサッシAメーターモジュールの廊下幅Bプッシュプルドア――などは採用されていなかった。大京の担当者は「扶桑のユニバーサルデザインと比べ劣っているわけでない」と語ったが、記者は明らかに後退していると思った。 

 「大京のユニバーサルデザイン」としては通用するかもしれないが、「ユニバーサルデザインの大京」とは言い難い。「ユニバーサルデザインの扶桑」といわれたように「ユニバーサルデザインの大京」と評価されるよう他社との差別化を徹底してほしい。それが同社のブランド力を一層高めることにつながるからだ。

 とはいえ、総合的な評価では、東京都の「マンション環境性能表示」で星11個を獲得しているようにレベルの高いマンションには変わりはない。単価も割安感がある。 敷地南側は第一種低層住居だ。

 同社がかつてトヨタ、オリックスと共に分譲して人気になった国分寺崖線に隣接した「国分寺ゼルクハウス」にも近い。


「ザ・ライオンズ武蔵国分寺公園」完成予想図

素晴らしい環境に恵まれた「国分寺ゼルクハウス」

(牧田 司 記者 2010年2月3日)