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どうなる住宅版エコポイント

大京の第一号「ライオンズ瑞江ファーストフォート」から探る


「ライオンズ瑞江ファーストフォート」の来場者に配布されているチラシ


 大京の「住宅版エコポイント」の対象マンション第一号「ライオンズ瑞江ファーストフォート」を見学した。見学の目的は、もちろん来場者の反応を聞くためだった。

 物件は、都営新宿線瑞江駅から徒歩14分の11階建て全42戸の規模。1期(23戸)の専有面積は約65〜81平方b、販売価格は3,290万〜4,980万円(最多価格帯3,700万円台)、坪単価175万円。施工は土屋組。竣工予定は平成23年2月。

 来場者の反応を紹介する前に、この物件の商品企画、設備仕様について触れておきたい。記者は、同社のマンションも結構見学しているが、どんどん進化している印象を受けている。この物件も極めて良好な物件だと思う。ワイドスパンのプランもいいし、「Lions Living Labo (ライオンズリビングラボ)」を搭載した設備仕様もいい。この単価クラスの物件なら同業他社には負けないだろう。

 今回初めて見た建具ドアを例にとってみよう。表面は本物の無垢材かと思えるようなうづくり仕上げが施されており、小口は 1 枚貼りなのではがれるようなことはない。メーカーを聞いたら布川製作所(徳島県)とのことだった。来場者の評判もいいと聞いた。

 すでに16戸が契約済みで、販売を担当している同社首都圏営業統括第二部主任の金井洋平氏も「私は入社 8 年目ですが、この物件の設備仕様レベルは高い。4月までには完売できそう」と自画自賛していた。

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 さて、住宅版エコポイントについて。もともと同社の物件は省エネルギー対策等級3を満たしており、エコジョーズなどの高効率給湯器を標準装備していたことから、エコポイントの基準をクリアするハードルが低かったためで、たまたまこの物件が第一号となったようだ。

 基準を満たすために変更したのは、ペアガラスをUVカット率が高いエコガラスにしたのと、キッチンやユニットバスの水栓を節水型にしたことぐらいしかない。

 来場者の反応は、金井氏によると「マンション購入をずっと考えていらっしゃる方の認知度は高いが、そうでない方は『えっ、そうですか。それはいいですね』という声が多く、私の印象では半分ぐらいの方はご存知ないようです」とのことだった。

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住宅版エコポイント制度の総予算は1,000億円。1戸当たり最大30万円とすると件数に換算して約33万件。対象となるのはマンションなどの共同住宅のほかに戸建て、賃貸、リフォームも含まれる。

 大京の例に見たように、大手のマンションデベロッパーにとってハードルは高くなさそうで、ほとんどが基準を満たすことになりそうだ。ただ、中堅デベロッパーにとってはそれなりのコストアップ要因になる。かといって対象外では話にならないだろう。ほとんどのマンションが基準を満たすことになるのではないか。

 戸建てはどうか、先にポラスが全供給物件約1,800棟のうち1,000棟以上を対象とすると発表したように、戸建てや賃貸は全てが対象にはならないだろう。コストアップ要因になるからだ。中古マンションはサッシ、給湯器などは共用部分に該当するので、リフォームなどで基準を満たすのは難しそうだ。リフォームはリフォーム費用が比較的低く(最近のデータでは全国平均で1件当たり約278万円)、還元率が高いからかなり伸びるのではないだろうか。賃貸については全く分からない。

 そんなわけで、今年の住宅着工を80万戸と見た場合、住宅版エコポイント制度は早ければ秋口には予算を消化することになりそうだ。リフォームの伸び次第ではもっと早まるかもしれない。

大京 住宅版エコポイント基準満たす初の「瑞江」分譲(1/28)

(牧田 司 記者 2010年2月2日)