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レベル高い 新日鉄都市他「ヴェルデヴィータ柏の杜」


「ヴェルデヴィータ柏の杜」


 新日鉄都市開発(事業比率60%)とNIPPO(同40%)の戸建て団地「ヴェルデヴィータ柏の杜」を見学した。

 物件は、JR常磐線・東武野田線柏駅から徒歩25分、又はバス6分徒歩6分、柏市東柏1丁目に位置する総開発面積約32,000平方b、全179区画。1期20戸の土地面積は125.94u〜142.69u、建物面積は98.37m2〜105.57m2 、予定価格は3,500万円〜4,400万円。建物は9月に竣工済み。構造は木造2階建 ( 枠組壁工法 ) 。引渡し予定は2011年2月。施工は三菱地所ホーム、津田産業。

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 取材するきっかけは、業界紙が報じており、つくばEXではなく、常磐線の柏駅圏で179区画もの戸建て用地があったのが驚きだったからだ。かつて、柏駅圏では東急不動産「柏ビレジ」の大型団地の取材に何度も出掛けていた。それ以来だから柏駅圏の戸建てを見るのは20年振りぐらいだ。

 相場は全然分からなかった。駅に近ければ5,000万円、6,000万円はするだろうが、やや距離があるから5,000万円を超えてくると厳しいのではないかと考えた。タクシーに乗りながら、運転手からも道路事情を聞いた。朝夕はかなり渋滞するそうで、歩くと30分もかかるという。バス通勤も歩くのも大変だと感じた。かなり交通量があり道路幅も狭いので、自転車利用も楽ではないと思った。 

 現地には10分ぐらい、タクシー代にして1,000円もかからなかったから、そんなに遠くは感じなかったが、正直、「こんなに戸数が多くて、売るのは大変だろうな」と思った。


モデルハウス

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 しかし、現地の販売担当者から話を聞いて、「これは売れる」に変わった。タクシーの運転手の話はやや大げさで、販売担当者が実際に体験した結果、バスだと平均10分、徒歩だと男性で20分、女性で25分くらいとのことだった。近所の人たちは歩く人も結構いるとのことだった。家族の送迎も少なくない。

まず、これほどの大規模な戸建て用地がどうしてあったかだが、従前は文京区の運動場だった。売却は平成18年。入札したのは8社で、売却価格は約31億円だった。

 ランドプランも建物もいい。立派なタウンゲートがあり、外構もしっかり造られていた。建物の外観はサイディングではなく、「ネオしっくい」の左官仕上げだった。お洒落なLEDの門灯もあった。柱の角はアールで、リビング居室のドアは親子ドアが採用されていた。引き戸はソフトクローズ機能付きだった。

 販売担当者によると、ユーザーの反響もよく「左官仕上げの外観などを説明すると感動される」とのことだった。

 いわゆるパワービルダーの戸建ては土地が30坪で3,000万円台の前半だそうだが、これだけレベルが違えば、間違いなく売れると見た。

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 ついでに書くが、「柏ビレジ」は昭和を代表する団地だ。総戸数は約1,500戸。宮脇壇が設計した「レンガとアイビー」の街だ。昭和55年から分譲開始され、土地は60坪、建物は35坪。価格は4,000万円以上していた。売れ行きがいい頃は6,000万円、7,000万円した。

 それにしても、敷地規模などは異なるが、昭和55年当時の戸建てより今のほうが安いとは…当時の住宅ローン金利は6%ぐらいでなかったか。昭和60年生まれの「柏の杜」の販売担当者は、この「柏ビレジ」を知らなかった。当然といえば当然だが、「昭和」は遠くなり「時代」は変わったということか。


門灯

(牧田 司 記者 2010年11月12日)