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頑張れ中堅! マンション商品企画に力を

  リーマンショック後、中堅デベロッパーのマンション見学が極端に減った。退場≠余儀なくされたこともあるが、「これはいい」と紹介できる物件そのものも減ってきているからだ。

 当欄で紹介するマンションは、一般の方からは「誤用記事ばかり」との指摘も受けるが、業界紙の記者だから、「御用記事」を書くのは当たり前だと思っている。かといって、何らかの報酬をもらって書いているわけではないので、レベルの低いマンションはほとんど紹介したことがない。一般の方が読まれても、選択を誤らないような配慮はしているつもりだ。

 それにしても、最近は大手デベロッパーと中堅とのマンション商品企画は雲泥の差がある。その差は広がる一方だ。大手は、どこも商品企画に力を入れている。野村不動産の「プラウド」については言うまでもないが、設備仕様のグレードアップも目立つ。三井不動産レジデンシャルは、今年に入って「パークホームズ」のグレードを一段と高めている。住友不動産もしかり。東京建物が分譲する「Brillia 辰巳 CANAL TERRACE」は坪 200 万円前後の物件でない。大京も近年は素晴らしい物件を次々供給している。商社では伊藤忠都市開発が商品企画に力を入れている。

 一方の中堅は、資金量も用地取得能力もことなるから対等に勝負は出来ないだろうが、以前は商品企画でカバーしてユーザーの支持を得てきたところは少なくない。

 どうも中堅デベロッパーの経営者や商品企画担当者は「いい物件」を見ていないのではないかと思えてならない。デザインに力を入れているようにも見えるが、「デザイン」の意味を取り違えているのではないか。デザインは単に意匠だけの問題でない。単にカラーリングにこだわるから醜悪なものになる。ホテルも絵画も焼物も、いいものを見ることが基本だ。

 頑張れ中堅! 

(牧田 司 記者 2010年11月8日)