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グッドデザイン賞を受賞したマリモ「フィーノ渋谷」


「フィーノ渋谷」

 2010年グッドデザイン賞を受賞したマリモのコンパクトマンション「フィーノ渋谷」を見学した。

 物件は、 JR 山手線渋谷駅から徒歩7分、渋谷区鶯谷町に位置する地下1階地上4階建て全44戸の規模。専有面積は30.68m2〜56.25m2、現在分譲中の3戸の価格は3,490万円〜5,890万円、坪単価は350万円。建物は今年6月に竣工済み。設計・監理は空間システム研究所、施工は醍醐建設。販売代理はシティインデックス。竣工販売で現在残りが3戸のみだから販売も好調に推移している。

 現地は第二種低層住居専用地域で、低層の戸建てや中層のマンションなどが建ち並ぶ坂の途中に建つ。同賞の受賞理由が「白と黒を基調とした、街並みのスケール感にも合うすっきりとした外観が実現されている」とあるように、白と黒が基調の外壁に白の横ルーバー手すりが印象的な外観だ。

 もう一つ、大きな特徴は配棟計画と住戸プランだ。住棟は、横軸とも言うべき内廊下を中心に東南向きと北西向き住戸をシンメトリーに配し、住戸間に吹き抜けを設置し、住戸プランを凸型にして採光に配慮している。約30uのstudioタイプでも居室のほかに浴室、洗面室にも窓が設置されている。廊下スペースを最小限に抑え、居住空間を増やす工夫も見られる。

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 マリモは、東京都では高尾でマンションの供給事例はあるが、都心・準都心部では初の供給物件だ。この物件は、もともとモリモトが事業化を進めていたもので、同社が民事再生したのを受けてマリモが事業を継承したものだ。マリモの「マンション再生事業」の一つのようだ。

 それにしても、ここでもモリモトのデザイナーズマンションを見るとは思わなかった。物件の目と鼻の先には、やはりモリモトから事業継承し、人気を呼んだ大京「セルフィスタ渋谷」がある。

 マリモも、コンパクトマンションに特化している販売代理のシティインデックスも今後の事業展開の参考になるプランに違いない。

 容積率が160%で傾斜地という厳しい規制・条件であるにもかかわらず、居住性を高めるため配棟計画と住戸プランに工夫を凝らしている点にグッドデザイン審査委員はどうして着目しなかったのか疑問に残った。


モデルルーム

白、白、白…把手も 圧倒的人気 大京「セルフィスタ渋谷」(2010/6/18)

(牧田 司 記者 2010年10月19日)