RBA HOME> RBAタイムズHOME >2010年 >


細田工務店の長期優良住宅先導モデル&「軸」を見学

「グローイングヒルズ長津田みなみ台」


「軸」を採用した長期優良住宅の先導的モデル住宅

 
  細田工務店の大型戸建て団地「グローイングヒルズ長津田みなみ台」を見学した。分譲住宅の合理性と注文住宅の自由度をミックスさせた同社独自のシステム「バイ・コンセプト」を採用した団地で、昨年発表した長期優良住宅の商品「軸」のフラッグシップ的位置に当たる先導的モデル住宅が見られる団地だ。

 物件は、東急田園都市線長津田駅から徒歩14分、横浜市緑区長津田みなみ台6丁目に位置する建ぺい率50%、容積率80%の地域で、開発総面積は約18,000平方b、全91区画の規模。敷地面積は約150平方b、建物面積は約112〜118平方b、現在分譲中の建売住宅の最多価格帯は6,400万円台。規模・構造は木造2階建 (軸組工法) 。

 現地は、UR都市機構が開発した大規模団地の一角で、もともと学校予定地となっていたものを同社が取得して分譲するもの。平均150平方bの区画割と、敷地の北側にみなみ台公園といぶき小学校、敷地東側にせせらぎ緑道が整備されており、子育て環境に恵まれているのが最大の特徴だ。セコムのタウンセキュリティも採用している。

 昨年5月から分譲が始まっており、現在32棟が契約済み。予想を上回るペースで売れているという。現在も 1 週間に子育て世代を中心に10〜15組が来場中だ。

 注目の「バイ・コンセプト」についてだが、建売住宅は現在のところ16戸を計画、残り75棟がプラン売りの「セレクトシステム」と、建築条件付宅地分譲の「カスタムシステム」「オーダーシステム」となる。契約済み区画の内訳は、セレクトがゼロで、カスタムが約 3 割、オーダーが約7割という。オーダーの比率が高いのは、カスタムと比べ建築単価の差が比較的小さいためカスタムのほうに割安感をもたれるためではないかとのことだった。システムによって外観デザイン、インテリアデザイン、フリープランが無償・有償となる。

 「軸」を採用した長期優良住宅の先導的モデル住宅も見学したが、これはスグレモノだ。コンクリート住宅かと思った。「軸」は耐力要素を構造コアと外壁に集約し、大梁の架け方を工夫することで耐震性を強化するとともに、独自のHIT−S工法により水平耐力も強化し、住空間の自由度を高めたものだ。在来工法より強度の強い金物工法を採用しているほか、高気密・高断熱のエコサーマル21を採用している。

 モデル住宅は、 1 階のトイレ、洗面、浴室、階段室のある中央のコア部分を除き柱が一つもなく回遊できるようになっていた。半地下の広い収納庫とロフト付き。階段はメータモジュールを採用、その他LED照明なども採用している。

   
長期優良住宅先導モデルのリビング・キッチン                 せせらぎ緑道

◇     ◆     ◇

 現地では、同社住宅事業部主任・白柿未千雄氏に案内してもらった。白柿氏は現場監督も経験ざれており、技術的なこともいろいろ聞いた。先導モデル住宅はコストアップになるため、「見た目には他の住宅と変わらないので、技術的なことをきちんと説明することが大事」とのことだった。

 また、コストアップ要因のうち、残土の処理費のウエイトがかなり高いのも産廃処理と同様、今後の課題だという。コンクリートや材木などで住空間を作る費用ほどではないにしろ、掘った土を捨てるのに大変な費用がかかると聞き、田舎育ちの記者はビックリした。


建売住宅

(牧田 司 記者 2010年1月29日)