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モリモトの億ション「ディアナコート八雲桜樹」が売れる!


「ディアナコート八雲桜樹」完成予想図


 日照り雨が降り、草木の芽吹きを早めそうな暖かな南風が吹いたこの日、記者は心が浮き立つようなマンションを見た。モリモトの「ディアナコート八雲桜樹」だ。

 物件は、東急東横線都立大学駅から徒歩14分、目黒区八雲5丁目の第一種低層住居専用地域に位置する地下1階地上3階建て全34戸の規模。専有面積は約58〜138平方b、予定価格は8,200万円台〜11,500万円台(専有面積約98〜125平方b)、坪単価は330万円。完成予定は2011年1月下旬。設計・監理・デザイン監修はアーキサイトメビウス。施工は大末建設。

 記者は、見学する前に同社のスポークスマン的な存在の同社住宅営業部・北郷俊行氏に電話した。北郷氏は「モデルルームをオープンしたばかりの『八雲』がものすごい売れ行き。特に億ションが売れている」と語った。

 記者は眉唾≠セろうと思った。昨年見学した同社の物件はことごとく早期完売しているが、今回は価格が価格だ。単価は安そうだが、1億円を超える住戸は少なくない。ましてや同社は民事再生会社だ。ユーザーの理解が果たして得られるのかという疑問を抱いた。

 モデルルームより先に現地を見た。確かに売れる要素は揃っていた。ご存知ない方もいるかもしれないが、目黒区には青葉台、平町、碑文谷などの良好な住宅地は多いが、「八雲5丁目」一帯はその中でも邸宅街として知られたエリアだ。小公園の衾町公園が目と鼻の先、駒沢公園に徒歩3分と近く、めぐろ区民キャンパス公園にも近い閑静な高級住宅街にある。マンションなら坪単価400万円、500万円すると思った。それでも、今の時期、億ションは厳しいと考えた。

 それからモデルルームを見学した。その疑問は氷解した。価格(単価)を上回って余りある価値のあるものだったからだ。億ションのターゲットといえば40歳代、50歳代以上を連想するが、このマンションはいかにも若い層に受けそうな新しいタイプの億ションだった。

 デザインがいい。すっきりした白が基調のデザインで、建物は内廊下方式。ライムストーン、御影石が共用部分や専有部分にふんだんに用いられており、リビング、居室の床はバンブー(ウォールナットとの選択可)。PP分離も大きな特徴の一つだ。監修を担当したアーキサイトメビウスは、同社の「ディアナコート」や三井不動産の「パークマンション」を手がけているように、人気のある設計事務所だ。

 そこで反響を聞いた。担当者によると、現在、申し込みを受け付けている億ション中心の南向き19戸のうち5戸は抽選となり、残りはほとんど申し込みが入っているという。億ションの申込者は30歳代の後半から40歳代が中心とのことだ。北側住戸の6000〜7000万円台は申し込みを受け付けていないが、担当者は心配していた南側住戸が好調なことから、北側住戸についても販売には心配していなかった。

 億ション立地に、新しいタイプの億ションユーザーのニーズを掘り起こしたのが人気の要因だ。

 何度も書くが、この時期、民事再生を受けた会社の億ションが人気になるなど狐につままれたような話ではある。同社がこれまでデザインにこだわり、上質なマンションを供給しつづけてきたのが評価されたということだ。こんな嬉しい話はない。「日照り雨」は、記者などは小さいとき「狐の嫁入り」と呼び、はしゃいだのを覚えている。

  
左からエントランス外観、プライベートサロン、内廊下     

(牧田 司 記者 2010年1月28日)