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住友不動産他「シティハウス多摩川テラス」

価格次第で申し込み殺到も


住友不動産の「シティハウス多摩川テラス」ホームページから


 住友不動産(事業比率90%)と明豊エンタープライズ(同10%)が共同して9月下旬に分譲する「シティハウス多摩川テラス」を見学した。

 物件は、東急東横線・目黒線・JR南武線武蔵小杉駅から徒歩11分、又は東急東横線・目黒線新丸子駅から5分、川崎市中原区丸子通一丁目に位置する14階建て全115戸の規模。専有面積は約55〜73平方b、価格は未定。設計はイクス・アーク都市設計、施工は高組。完成予定は2011年8月下旬。

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 見学の目的は2つあった。1つは明豊エンタープライズが共同事業主と名を連ねており、記者は、住友不動産と明豊エンタープライズがこれから外断熱マンションを含めマンション事業で提携するのではと思ったからだ。

 明豊エンタープライズは8月23日付で共同事業主になるとリリースを発表した。詳細は省くが、同社の経営は厳しい状況にある。昨日(25日)も、同社の純資産の30%に相当する額以上で延べ床面積約1万平方bの賃貸住宅「エコロジー木場公園プロセンチュリー」の信託受益権を譲渡すると発表した。新規のマンション分譲は途絶えたままだ。

 現段階では、両社とも明言するはずはないが、事業提携の方向で話が進んでいるのではないかと推測する。今回の共同分譲はその布石だと読んだ。

 外断熱マンションを展開してきた康和地所が破たんした今、工法はことなるが、外断熱マンションを展開しているのは明豊エンタープライズのみだ。外断熱のよさは言うまでもない。どんどん供給してほしい。ユーザーの支持も得られるはずだ。参考までに書くと、「エコロジー木場公園プロセンチュリー」に隣接する「シェルゼ木場公園」は、都のマンション環境性能表示制度で初めてオール満点の星3つ(合計12個)を獲得したマンションで、単価は相場より4割も高かったにもかかわらず早期完売している。

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 もう一つは、外断熱ではないが、やはり物件そのものに興味があったからだ。物件の概要表示では、最寄駅は「武蔵小杉」になっているが、もっとも近いのは「新丸子」だ。ご存知のように、今は武蔵小杉が大人気だが、ひところ前までは「新丸子」のマンションが人気になっていた。何しろ多摩川へは2分、丸子橋を渡れば隣りは「多摩川園」だし、その隣りは「田園調布」。「自由が丘」へも自転車で16分の近さだ。

 しかし、新丸子駅圏では、少なくともこの10年間はほとんどマンションの供給はないはずだ。いわゆる「マンション空白区」だ。綱島街道に面しているという難点はあるが、価格によっては申し込みが殺到するのではないかと見た。

 ただ、肝心の価格については、現地販売担当者によると「全然決まっていない」とのことで、聞けなかった。記者は坪単価250万円と読んだがどうだろう。55平方メートルのタイプは4,000万円を切るのではないか。現地は大手企業の社員寮跡地だ。


完成予想図

(牧田 司 記者 2010年8月26日)