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 住宅着工 6月も低い水準続く

分譲は4か月連続増加/戸建ては賑わう

 

 国土交通省は7月30日、平成22年6月の新設住宅着工統計をまとめ発表した。戸数は68,688戸(前年同月比0.6%増)、季節調整済年率換算値で75.0万戸(前月比1.7%増)と低い状況が継続。依然として厳しい雇用・所得環境が続いており、今後の動向を十分注視していく必要があるとし、各種経済対策の効果も期待されるとしている。

 利用関係別では持家は、27,656戸(前年同月比4.4%増)で、横ばいで推移。 貸家は24,871戸(同 10.9%減、19か月連続の減少)で、6月としては過去最低の水準。分譲住宅は15,705戸(同24.6%増、4か月連続の増加)だが、依然として平成20年以前の水準を大きく下回っている。

 首都圏マンションは2,901戸(同37.6%増)で、都県別では東京都2.334戸(同88.7%増)、神奈川県324戸(同41.7%減)、埼玉県243戸(同23.1%減)、千葉県はゼロ。千葉県のゼロは昨年から4度目。

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 国交省も業界ジャーナリズムも報じないが、低調なマンションと比べ、一戸建て分譲市場が賑わっている。昨年度の着工戸数はマンションが67,382戸(同59.1%減)と大幅に減ったこともあり、一戸建てが95,294(同10.6%減)とマンションを逆転した。

 古いデータは知らないが、おそらく一戸建てがマンションより多いのはこの20年来であったかどうかだろう。

 この傾向はずっと変わっていない。分譲住宅全体に占めるマンションの割合が5割を上回ったのは過去1年のうち2か月しかない。ほとんど3割台で推移している。

 一戸建ての市場は、一棟二棟などの現場も多く捕捉しづらい側面もあるが、もっと光を当てていい。一戸建ての市場調査については、細田工務店やその他の民間も行っているが、捕捉されている戸数は全体の4分の 1 以下だろう。これでは市場を捉えていることにはならない。なんとかならないのだろうか。

 記者は、まだ団地型建売住宅が主流だった頃、ずっと売れ行き調査をしていたし、各社の供給戸数も調べていた。最近は、あまりにものレベルの低さに(例外はあるが)戸建て見学もほとんどやめてしまったが…。

(牧田 司 記者 2010年7月30日)