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住宅サービスが破産手続き開始

 帝国データバンクの報道によると、住宅サービス(神津和夫社長)が5月28日に債権者から東京地裁へ破産を申し立てられ、7月8日に破産手続き開始が決定した。負債額は約130億円。

 同社は1954年(昭和29年)設立。首都圏を中心にマンションや建売住宅、などの開発事業や不動産販売事業を展開。中堅デベロッパーとしての地歩を築いてきた。

 しかし、バブル崩壊後の厳しい市況化で売上げが低迷。開発事業から撤退したが、リーマンショック後は中堅デベロッパーの分譲事業が落ち込み、今回の事態となった模様だ。

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 残念だ。同社の取材は、昭和59年に竣工した京王線聖蹟桜ヶ丘駅前の複合マンション「ザ・スクエア」(全363戸)の印象が強烈に残っている。確か坪単価は160万円ぐらいだったはずで、同社の幹部と「いくらで売れるか」について喧喧諤諤の論議をした。販売に向けて来場者が増え、盛り上がる様子が刻々と新聞広告で告知され、圧倒的な人気で早期完売した。シリーズ広告のはしりだろう。

 京王線に住んでいた記者も購入を検討したが、手が出なかった。その後、地価が暴騰、バブルの最盛期には中古価格でもほとんど億ションになった。

 バブル崩壊後、取材機会はなくなったが、神津氏ら幹部とは様々な会合で歓談した。これも時の流れか。

(牧田 司 記者 2010年7月16日)