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近隣住民も恩恵受けるマンション直結エレベータ付き

「ルネ北久里浜<ソラヒルズ>」


「ルネ北久里浜<ソラヒルズ>」完成予想図

 総合地所は、近隣住民も利用できる丘の上直結エレベータ付きマンション「ルネ北久里浜<ソラヒルズ>」のエレベータが竣工し7月10日から一般公開するが、公開に先立つ9日、報道陣向けに試乗会を行った。

 物件は、京急久里浜線北久里浜駅から徒歩3分、横須賀市池田町5丁目に位置する7階建て3棟・5階建て1棟の全202戸の規模。専有面積は約65〜97平方b、3期(10戸)の価格は2,980万〜4,190万円(最多価格帯3,300万円台・3,500万円台)、坪単価は150万円台。竣工予定は平成22年11月上旬。設計は安宅設計。施工は長谷工コーポレーション。

 完成したエレベータは、駅から徒歩3分の山の擁壁に設置されている。入口はセキュリティがかかっており、鍵又はカードで開錠すると横約3メートル、奥行き約40メートルのトンネル内の明かりが灯るようになっている。トンネルを抜けるところに再びセキュリティがかかったドアがあり、その奥に13人乗りエレベータ2基が設置されている。エレベータは高さ約50メートルの山中を約30秒で一気に上昇する。目の前がすぐマンションの敷地になる。エレベータには防犯カメラも設置されている。朝6時から9時までの通勤時を除き、自転車の利用も可能にする。

 エレベータは管理組合が管理・運営し、 1戸当たり月額1,200円を管理費として徴収する。

 大きな特徴の一つは、エレベータはマンション居住者だけではなく、近隣の戸建てなどに住む住民にも開放することだ。開設後2年間は無償で、それ以降は1人当たり月額1,500円程度の利用料金を徴収する予定だ。無償利用については現在、近隣住民の8〜9割に当たる約700世帯1,500人が利用を希望しているという。近隣住民はエレベータ出口からマンションの敷地内を通ることになるが、その部分は公道となり、横須賀市が管理する。

 同社によると、これほどの規模のエレベータは全国的にもほとんど例がないという。


ジオラマ(右上がマンション)

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 用地を取得した当初は、エレベータ設置は考えていなかったが、それだと車か徒歩で迂回して山上にのぼらなければならず、徒歩で 15 分ぐらいかかってしまい、マンション直結のエレベータ設置を決めたという。工事着手は平成19年。施工は新井組だった。ところが、着工してから数カ月後に新井組が民事再生手続きを行い、工事はストップした。長谷工コーポレーションが引き継いで施工を再開したのが昨年の7月末だという。

 これまで151戸を供給して109戸が契約済みだ。

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 同社から、エレベータの試乗会の案内が届いた時は、団地までの直結エレベータ付きは、積水ハウス「コモアつおつ」を筆頭にたくさん見てきたし、別に珍しいことではないので、どうしてわざわざ試乗会をするのかその理由が理解できなかった。

 しかし、担当者の同社分譲事業本部マンション事業部プロジェクトリーダー課長代理・加藤啓司氏に話を聞いてよく分かった。戸建て居住者にも開放することに大きな意味があると思った。おそらく、戸建ては昭和50年代に開発されたものだろう。入居者の多くは高齢化しているはずだ。高さ50メートルの山の上り下りはかなりきつい。15分かかるというのは当然だろう。記者など休み休みでないと登れる自信はない。

 それが一気に3分に短縮される。往復にすると30分だ。1日これだけ時間が節約でき、上り下りの負担を軽減する。大変な恩恵を近隣住民は受けることになる。トンネル・エレベータにはエアコンがついていなかったが、山の中だけにむしろ涼しく感じた。

 本来なら行政がやるべきことなのだろうが、同社の取り組みに拍手喝采を送りたい。これはもう立派な社会貢献・地域貢献だ。

 マンションの販促にももちろん大きな力を発揮するはずだ。「エレベータがなければ坪単価130万円でどうですか」と記者は聞いたが、加藤氏は「厳しいでしょう」と語った。つまりそれでは売れないということだ。

  
エレベータ入口                    トンネル内

(牧田 司 記者 2010年7月9日)