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 有楽土地他「グランシンフォニア」

はたらくママを支援する 「ママサポ」がテーマ


「グランシンフォニア」完成予想図

 

 有楽土地(事業比率40%)、平和不動産(同25%)、 NTT都市開発(同15%)、ヒューリック(同15%)、神鋼不動産(同5%)は6月24日、埼玉県戸田市で開発中の大規模マンション「グランシンフォニア」のプロジェクト発表会を行った。

 物件は、JR埼京線戸田公園駅から徒歩8分、埼玉県戸田市下前一丁目に位置する敷地面積約29,000平方b、15階建て全923戸の規模。専有面積は約67〜92平方b、価格は未定だが、3LDKで3,000万円台の後半から4,000万円台の前半が中心価格帯で、坪単価は170万円前後になる模様だ。竣工予定は1敷地が平成23年8月下旬、2敷地が24年8月下旬。販売代理は有楽土地住宅販売、野村不動産アーバンネット。設計・監理は長谷工コーポレーション、施工は長谷工・大成建設共同企業体。

 プロジェクト発表会では、最大のコンセプトである「ハードとソフトの両面で働くママをサポート」する設備やサービスについて説明された。

 最大のポイントは、はたらくママをサポートするプロジェクト「ママサポ・プロジェクト」(発起人:ワーク・ライフバランス小室淑恵社長、日本女子大社会福祉学科・永井暁子准教授)がプロデュースしたことだ。働く主婦1,500人を対象に調査し、「つくる〈時短・効率・負担の軽減〉」「はぐくむ〈コミュニケーション〉」「たかめる〈美容・健康・教育・自分磨き〉」の3つの視点から様々なプログラムを組み、賛同企業とともに入居者をサポートする。

 「つくる」では、敷地内に保育園を設置して夜9時まで保育するほか、一時保育、病児保育なども行う。ベビーカーレンタル(アップリカ・チルドレンズプロダクツ協力)、配送時間を指定できるネットスーパー(イオンリテール協力)、時短料理教室(日清食品協力)などを行う。

 「はぐくむ」では、育児を楽しむパパを養成する父親教室(NPO法人ファザーリング・ジャパン協力)、浴育セミナー(東京ガス協力)、森づくりを学ぶどんぐりプロジェクト(東京ガス協力)などを行う。

 「たかめる」では、絵本読み聞かせや育児・赤ちゃん情報(アップリカ・チルドレンズプロダクツ協力)、ダイエット支援(タニタヘルスリング協力)などを行う。

 入居者のコミュニティ形成を支援するサポートも行う。

 発表会に出席した小室さんは「私たちの考えがほとんど全て盛り込まれた。実証されるよう大きな野望をもってやっていきたい」と語った。事業者を代表して挨拶した有楽土地開発本部販売推進部長兼マーケティング室長・石井裕子さんは「全体的に広めのプランが多く、メニュープランなどで様々な提案も行っていきたい」と述べた。


左から石井さん、有楽土地開発本部開発事業部事業室・長瀬佑氏、小室さん

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 一つひとつは、結構なことだ。主夫≠やったことのある記者も賛同できるものばかりだ。着脱式室内物干し器が標準装備されるが、これなどは記者が20年も前から標準装備するよう主張してきたものだ。設置費用にすれば1〜2万円ぐらいだが、これのありがたみは自分が主婦(主夫)労働をすればよくわかる。男性より女性のほうが何かにつけ優れているというのもその通りだろう。

 ただ、事業者に期待したいのは、このようなソフトの充実もさることながら、専有部の間取りプランなどの工夫だ。子ども部屋と同じ広さの主寝室でいいのか、子どもに広い個室を与えることがいいのかなどをそろそろ考える頃にきていると思う。

 「ママサポ」もいいが、夫婦仲がよくなる「パパママ」マンションをどこか供給してくれないだろうか。夫婦喧嘩もあれば親子喧嘩もある。そのような場合、どこか1人逃げ込める、あるいは押し込める空間もほしい。われわれの世代はみんな「蔵に入れるぞ」の一声に震え上がったものだ。


「グランシンフォニア」完成予想図

   
ママラウンジ                        ラウンジ

(牧田 司 記者 2010年6月25日)