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 ポラス 一挙に5棟のモデルハウスオープン


新設のモデルハウスについて説明するポウハウスDV責任者・飯村利博氏(中央)

 

 ポラスグループの注文住宅を手がけるポラテックは6月18日、さいたま市内の総合住宅展示場2会場(REALハウジングプラザ浦和・さいたま新都心カタクラ住宅展示場)で新たに5棟のモデルハウスをオープンすると発表。マスコミ関係者を対象に内覧会を行った。

 モデルハウスは、展示場展開でさらなる知名度アップと受注の増加を狙うもので、これで4展示場9棟となる。近く与野でもオープンする予定で、5展示場11棟の体制となる。それぞれの会場で、同社の得意とする一区画に複数棟のモデルハウスを建てるスタイルを導入し、リアルサイズ∞リアルハウジング∞リアルスペック≠テーマとしている。

 さいたま新都心カタクラ住宅展示場では、4〜5月に281組の来場者を集め6棟を契約。武蔵浦和展示場では同じ時期に216組の来場者を集めている。


「ARZILL(アルジール)」モデルハウス(左が街の COTTAGE)

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 今回発表されたモデルハウスは5棟もある。一度に全てを紹介できないので、記者が一番気に入った「『ARZILL(アルジール)』〜街の COTTAGE 〜」から紹介する。

 このモデルハウスには驚嘆した。敷地面積は約21坪、2階建て延べ床面積約23坪、坪単価75万円〜、30前後の若い夫婦と3歳の子どもの3人家族を想定したものだが、驚きのプランは2階だった。2階の床面積は約11坪しかない。このスペースに3畳大の寝室と、1.5畳大のウォークインクローゼット、2.6畳大の書斎(居室、又は寝室)、9.9畳大の「ラウンジ」と呼ばれるスペースがあり、このラウンジとは別に3段アップしたところにまた5畳大の「ラウンジ」が設けられていた。

 寝室は3畳大しかないから、寝室というよりは寝所だ。ダブルベッドしか置けない。2.6畳大の書斎(居室、又は寝室)は子ども部屋にもなる。

 つまり寝室も子ども部屋も、われわれが理解している居室の広さが確保されていない。寝室と子ども部屋を極端に狭くすることで「ラウンジ」と呼ばれる不思議なスペースができる。つまり、このスペースで夫婦、あるいは家族が遊んだり、くつろいだりすることができるわけだ。子ども部屋は何も子どもが寝なくても、夫、あるいは妻が寝ることもできるようになっている。

 設計を担当した百瀬修氏(48)は、「狭いスペースをいかに有効に使うかで考え出したスペース。適当なネーミングが浮かばなかったので『ラウンジ』としましたが、いわゆる一般的なラウンジでもない。いろいろな用途に使えるはず」と説明した。「ダイニング・寝室・リビング」といった既成の概念を「食べる・寝る・遊ぶ」スペースに置き換えたプランだとも言う。

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 記者は、このプランを見て、「これをマンションに採用したら面白い」と考えた。マンション業界では主寝室は6〜8畳大、子ども部屋は4.5〜6畳大と考える。だから平凡な田の字型のマンションになる。記者は、夫婦2人の居室スペースがどうして子ども1人のスペースと同じなのか、1人当たりのスペースにすると子どもより大人が狭くなるのかずっと疑問に思ってきた。子どもに広い居室など与えるべきでないと、子育てに失敗してから気がついた。

 このプランは、このような問題を一挙に解決するのではないかと考える。マンションのプランを劇的に変えるかもしれない。


不思議な空間の「ラウンジ」

(牧田 司 記者 2010年6月18日)