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三井不動産RD他「パークコート麻布十番ザ タワー」竣工

単価だけでは計れない価値あり


「パークコート麻布十番ザ タワー」


 三井不動産レジデンシャルは5月26日、近く竣工する三田小山町地区市街地再開発事業の「パークコート麻布十番ザ タワー」の報道陣向け見学会を行った。

 物件は、都営地下鉄大江戸線・東京メトロ南北線麻布十番駅から徒歩3分、港区三田1丁目に位置する36階建て全440戸(事業協力者住戸80戸含む、他に店舗6区画・オフィス3区画・三田ガーデン棟58戸あり)の規模で、分譲戸数は360戸。専有面積は約42〜161平方b。分譲中の住戸の価格は5,110万円〜4億3,800万円(最多価格帯7,900 万円台)、坪単価は500万円弱の予定。売主は同社(事業比率40%)、新日鉄都市開発(同40%)、藤和不動産(同20%)。設計・監理はアール・アイ・エー、久米設計。施工は大成建設。

 平成20年10月から分譲開始されており、これまで約8割が供給済みで、おおむね契約済みという。億ションの比率は約4割。

  
ヒーリングフォレスト                ティアラデッキ  

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 分譲開始がリーマンショックの直後だっただけに、厳しい市況化でこれだけ売れているのは大健闘だろう。

 見学会では、屋上のティアラデッキ、130平方bのプレミアムスイート(価格3億4,000万円)、プレミアムビューラウンジ、ゲストルーム、コモンラウンジ、ヒーリングフォレストなどを見て回った。

 プレミアムスイートは、床が大理石張りで、壁は布クロス、リビングドアの把手はレザー、トイレの壁はモザイクタイル、建具・ドアは突き板仕様。三井不動産レジデンシャルの高額マンションシリーズ「パークマンション」と同等のレベルだと思った。

 2階に設けられた業界初だというヒーリングフォレストは、アロマが本物の樹木や低木、シダ類が植えられており、癒しの空間が演出されていた。ホテルライクなゲストルームは1泊7,000円。東京タワーなどもすぐ近くに見える。

 このほか、共用部分には絵画、ガラス彫刻、石彫刻などのアートが随所に設置されていた。また、業界初といわれるセキュリティシステムも導入されている。外来者はエントランスでゲスト用ICカードを訪問先から受け取らないとエントランス内に入ることが出来ず、退出時にはそのICカードを返却しないと退出できないというものだ。

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 見学中に感じたことだが、われわれ業界人はマンションの価格相場として坪単価をいつも弾く。これはこれで極めて重要な事項だが、このようなタワーマンションや大規模マンションには、単に坪単価で計れない価値がある。別の評価の仕方が必要かもしれない。つまり、専有面積の分譲価格以外にも共用施設の価値を価格に換算する手法を取り入れないと、物件全体の価値を計れないのではないか。

 供給するデベロッパーも、有効率を公表して共用部分の価値の見える化≠進めるべきではないだろうか。


プレミアムスイート

(牧田 司 記者 2010年5月26日)