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王者・三井のリハウスを急追する住友不販・ステップ



 昭和61年から平成21年まで24年間、仲介取扱件数でトップを走りつづけている三井不動産販売の「三井のリハウス」を、住友不動産販売の「ステップ」が急追している。

 住友不動産販売の平成22年3月期決算によると、仲介取扱件数は平成20年3月期の29,753件を221件上回り過去最高の29,974件(前期比7.7%増)に達した。一方、三井不動産販売の取扱件数は33,040件(前期比6.3%)だった。その差は3,066件。

 注目すべきなのは伸び率と勢いだ。伸び率は住友不販のほうが1.4ポイント上回っており、この1年間の同社の勢いは他社を圧倒しているというのが業界関係者の声だ。住友不販が先に公表した平成25年3月を最終年度とする「第3次中期経営計画」では、基本方針として「『顧客第一主義』を再徹底し、単価に左右されず件数増加による成長を図っていく」と件数重視を打ち出した。売上高は10%増、営業利益は21%増を目指すとしている。件数重視を打ち出したことは、三井不販を追撃する体制を敷いたとも受け取れる。

 このままリハウスが年率6.3%、ステップが年率7.7%で件数を増やすと仮定すると、ステップがリハウスを上回るのは10年以上かかる計算になるが、伸び率次第では逆転の時期は早まる。

 しかし、業界関係者は「逆転は無理」という声も少なくない。リハウスがやすやすとトップの座を譲り渡すはずがないというのだ。かつて平成12年にはステップがリハウスにその差855件と迫ったことがあるが、その後2,000〜3000以上引き離されていることにも「逆転は無理」という言葉に説得力がある。

 ステップが勢いを持続させてリハウスを抜くのか、それともリハウスがトップとして走りつづけるのか、両社のトップ争いから目が離せない。「2番目じゃいけないんですか? 」との問には両社とも当然「ノー」だろう。

住友不販 3月期決算 取扱件数が過去最高 増収増益(5/11)

(牧田 司 記者 2010年5月13日)