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野村不動産 スケルトン・オーダーメイド「プラウド元麻布」

販売に自信見せる松本専務


「プラウド元麻布」完成予想図


ほとんど完成した住戸内のスケルトンを見学する記者団

 野村不動産は1月19日、同社のオーダーメイドマンションをさらに進化させた新しいシステム「スケルトン・オーダーメイド」を初めて採用した「プラウド元麻布」記者内覧会を行った。一般分譲は1月23日から開始する。

 物件は、都営大江戸線・東京メトロ南北線麻布十番駅から徒歩9分、または日比谷線広尾駅から徒歩12分、港区元麻布2丁目のパキスタン大使館跡地に建設中の地下2階地上5階建て全32戸の規模。専有面積は約110〜211平方b、標準仕様の予定価格は1億9,500万〜7億5,000万円(最多価格帯2億4,000万円台)、予定坪単価は約700万円台。入居予定は平成23年2月下旬。設計・監理・施工は竹中工務店。

 「スケルトン・オーダーメイド」とは、@従来のオーダーメイドとは異なり、工程を組み替え、外観やパブリックスペースをほぼ完成させるとともに、専有部については内装も間仕切りもないスケルトン状態まで仕上げるA一定期間の内覧期間内において購入希望者は、通常では完成時にしか確認できない「建物全体の外観」や「エントランスなどの共用部」の質感やデザインを実際に確認でき、購入希望住戸の間取りを自由に検討することができるB内装プラン確定後に内装(インフィル)工事部分に着手する――というもの。今回は約4カ月間工事を中断し、商談期間に当てる。

 外壁タイル・レンガは土の配合、色合いを「プラウド元麻布」のためだけに製作されたものを使用し、エントラスホール・ラウンジの調度品は米国ベイカー社製の家具を装備、入居者の様々なニーズに対応する「コンシェルジュデスク」の設置、床暖房はリビング・ダイニングだけでなく、キッチンやパウダールームにも標準設置、全居室複層ガラスとし、熱交換型換気扇も標準採用しているのが特徴。

 内覧会で挨拶した同社専務執行役員、住宅カンパニー長の松本聖二氏は、「今年年初のマンション来場者数は昨年同時期と比べ35%増えている。中でも『プラウドシティ板橋本町』は先の連休3日間で485組の来場者があり、需要は底固いものがある。

 10年前にスタートさせた当社のオーダーメイドマンションは99棟4431戸を数えるが、それをさらに進化させた今回のスケルトン・オーダーメイドによってフラッグシップマンションにふさわしいものにした」と語った。

◇     ◆     ◇

 記者が驚いたのは、同社がこの新しいシステムの採用に踏み切ったこともあるが、販売に自信を見せていたことだ。松本専務に「売れるんですか」と聞いたら、松本専務は語気を強めて「もちろん。すでに20件ぐらい商談が入っている」と答えた。


松本専務

 現地は「元麻布ヒルズ」の目と鼻の先、「ドムス元麻布」にも近い。記者の相場観からすれば、このエリアは2年前までなら坪単価1,000万円を突破していたはずだ。バブル期には2,000万〜3,000万円していた。住居表示が「元麻布」のマンションなど最近はほとんど供給事例がない。富裕層にとって垂涎の的の立地だろう。

 標準仕様で坪約700万円というのは割安感はあるだろうが、グロスはほとんど2億円を突破してくる。そのような億ションを、わずか4カ月の工事中断の期間で完売のメドをつけようというのだから驚きだ。事前に富裕層向けに告知はしていたのだろうが、「プラウド」と「元麻布」のブランド力があるということか。

 モデルルームの内装は白を基調にしたシンプルなものだが、オーダーメイドによって坪単価にして1,000万円ぐらいの設備・仕様にする富裕層や、買い増しの需要もあると同社担当者は読んでいた。


建築中の現場

(牧田 司 記者 2010年1月19日)