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「仕入れ順調 3年分15,000戸を確保した」

野村不動産・鈴木社長 記者懇親会で語る


鈴木社長

 野村不動産グループは4月15日、恒例の記者懇親会を開いた。不動産市場は厳しい状況が続いているが、マンションの売れ行きが好転、中古マンションの仲介件数も伸びるなど、明るさが戻りつつあり、多数の報道陣が詰め掛けた。

 会の冒頭、挨拶に立った野村不動産ホールディングス社長・鈴木弘久氏(野村不動産社長)は、前期決算については集計中としながら、市場激変の中での同社の事業について次のように語った。

 住宅事業については、「3月のマンション契約率が83%を記録するなど回復基調が鮮明になってきた。当社の1〜3月のモデルルーム来場者数は前年比54%増加しており、活況を呈している。『プラウドシティ池袋本町』は7,400組の来場者を集め、401戸が連続即日完売した。このほか『杉並高井戸』(79戸)『浦和仲町アクアフォーレ』(31戸)『船堀』(38戸)『錦糸町』1期(135戸)なども即日完売している。

 リーマンショック後の仕入れにも力を入れており、23,000坪の稲毛を始め『こまばエミナース』など建て替え・再開発を含め約15,000戸、3年分を確保している。利益創出の源泉になっている。戸建ても環境に配慮した『プラウド花小金井』205戸の販売を開始した」などと語った。

 建て替え・再開発事業については、「桜上水団地の建て替え決議がなされ、従前の400戸から倍の800戸として着工の準備に入った。仕掛かり中の案件は4物件あり、検討中も10物件以上ある。再開発は相模大野など14物件に参加組合員として事業参画しており、当社の圧倒的強みを発揮している」と述べた。

 オフィス事業については、「市場は厳しいものがあるが、4月から法人カンパニーを独立させ、直接営業を開始した。日本橋野村宝町ビルは満床で開業できる。中規模ながらSクラスのPMOビル事業も10棟が仕掛かり中」と語った。

 投資事業については、「リート市場などは凍りついているが、当社は非上場のプライベート投資法人立ち上げ、安全・安心を最優先した商品にした」と締めくくった。

 乾杯の音頭を取った同社副社長・高井基次氏は「政局も不動産市場もまだら模様だが、このような環境をどのように乗り切るか、当社にはそのすべを持っている…ですよね」と、同社グループ幹部に向かって念押しし笑いを誘った。厳しい市況を乗り切るのに自信満々の表情を浮かべた。

 野村不動産アーバンネットは、建物が竣工し6月から入居が始まる「武蔵野タワーズ」に新規店舗を開設することを明らかにした。


高井副社長

(牧田 司 記者 2010年4月16日)