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太陽光採光システムはマンションに採用できないか

 「オープンレジデンス白金台」の取材で驚いたことがある。事業主のオープンハウス・ディベロップメント マンション開発事業部・大河原健太氏から、このマンションには太陽採光システム「ひまわり」の設置にも対応できると聞いたことであった。

 大河原氏によると、「ひまわり・太陽光発電」にも対応できるよう重要事項説明・管理規約に盛り込んでおり、設置希望者が多ければ100万円以下で提案できるという。

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 記者は2カ月前、この「ひまわり」を製造販売しているラフォーレエンジニアリングに取材を申し込んでいる。マンションの北側住戸に光を取り込むことができればプランの自由度は高まり、価格設定でも必ずしも北向きは難点にならないとずっと考えてきたからだ。CO2削減にも貢献できると考えていた。

 この考えは、さかのぼれば40年も昔の記者の実体験が背景にある。貧乏学生の頃、2階の北向き3畳間に住んでいた。日照が欲しくて、隣家の屋根に鏡を置いて光を取り込み、感動的な体験をした。今でもニーズはあると確信している。

 ところが、同社の担当者からは、「価格が高く、マンションへの設置はほとんどない」という返事だったので取材をあきらめていた。

 「ひまわり」は、集光機で自然の太陽光を捉え、光ファイバーで居室内に取り込むもので、紫外線・赤外線も遮断でき、輻射熱による温度上昇も抑えられるスグレモノ≠セとおもったが、やはり価格がネックのようだった。

 しかし、大河原氏が言うように戸当たり設置費用が100万円なら、20年間住むとして年間5万円の負担で済む。太陽光発電もいいが、これもコストはかかっている。政府は子育てや住宅取得に大判振る舞いをしているが、いっそ「太陽採光システム」にも補助金を出して、普及促進に力を入れたらどうだろう。CO2削減にもなるはずだし、隣地に日陰を落とす建築物にこのシステムの設置を義務付ければ、日照紛争も少しは減るのではないか。

 オープンハウスも業績が絶好調だし、購入者に負担させないで社会貢献の一つとして設置すれば、全国紙が書き立てるだろうから、広告宣伝費と考えれば大きな効果が期待できる。 

(牧田 司 記者 2010年3月25日)