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日住協の今年の新年賀会を欠席する理由

 加藤清史郎くんの言葉を借りれば「ワシはこのような記事など書きとうなかった」のだが、これから書く日本住宅建設産業協会(日住協)と他の業界団体のためにもあえて書く。

 本日(1月12日)、日住協は恒例の新年賀会を開く。記者は、日住協の前身の住宅産業開発協会、日本ハウスビルダー協会時代を含め同協会の新年賀会に初めて意思を持って欠席することにした。

 理由は、ここ数年間、同協会事務局から「同協会の賛助会員に入会しないのであれば参加を遠慮して欲しい」というようなことを言われてきたからだ。それでも昨年は、頼み込んで出席した。自社の経営も大変なのに、中堅デベロッパーのために東奔西走していた神山和郎理事長の挨拶をどうしても聞きたかったからだ。

 もちろん、今年も業界を取り巻く環境は昨年と変わらず厳しい。神山理事長の話を聞きたいのは同じだ。そこで、ある会員会社の社長に頼み「カバン持ち」として参加することも考えたが、結局、そこまで卑屈になることはないと判断して欠席することにしたのだ。

 日住協の新年賀会は、会員・賛助会員のためのものだそうだが、同協会は公益社団だ。フリーの記者も含め、広く報道機関に公開すべきだと思う。賛助会員に入会するかどうかは全く別問題だ。

 賛助会員に入会することを取材の条件にすることは、記事を金で買うようなものだし(記者の記事など金で買う値打ちなどないだろうが)、記者の公平性からいっても問題がありそうだ。そもそもフリーの記者が年間24万円の賛助費が払えるはずがない。記者の役割とは記事で「業界に明かりを灯す」ことだ。

 そんなわけで、今年は神山理事長の話も聞けないし、会員各社の幹部の方々ともお会いできない。このような催しは絶好の取材源となるのだが、新年賀会に出なくても取材チャンネルがなくなるわけでもない。今年は昨年以上に中堅デベロッパーのために記事を書くことを同協会会員会社の方々にお約束する。

 他の業界団体、会社にもお願いしたい。媒体の知名度とか媒体力などによって取材対応を変えるようなことをしないで欲しいということだ。

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 フリーの記者でも、賛助会費を払っていなくても取材ができる方法があることをある関係者から聞いた。「日本不動産ジャーナリスト会議」の会員になればいいというのだ。真偽のほどはよく分からないが、それが事実とすれば結構なことだ。

 しかし、記者(私)の個人的な考えでは、記者(私)のような独断と偏見に満ちた業界寄りの記事ばかり書いていては「ジャーナリスト」の資格などないと思うし、敷居が高すぎる。

 また、「日本不動産ジャーナリスト会議」会員の肩書きでフリーパスの取材ができるということであれば、その肩書きによって取材先に見えざる圧力をかけることにはなりはしないのかとも考えてしまう。

 記者(私)が先に書いたように、一方では「圧力」を批判し、他方で「圧力」を頼りにすることは主張に一貫性がないし、取材に制約を設けることでは同じではないかということだ。記者(私)はそのような取材方法は取りたくない。

 それよりも、「何? RBA? 知らないね」などと門前払いを受けながらも、一つひとつ門戸を開いてもらうような地道な取材をしようと思う。記者(私)の夢は「RBAをメジャーにすること」だ。

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 参考までに書くが、 googleで「日住協 神山」で検索したら、5,670件ヒットした中で昨年の新年賀会について記者が書いた記事がトップの同協会ホームページの2〜3番目にヒットした。

(牧田 司 記者 2010年1月12日)