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死のグループ=u開き直って勝ちに行く」

三井不動産・工藤監督


竹澤氏(左)と工藤監督

 

 「勝ちたい! 東京ドームに行きたい!」――三井不動産レジデンシャル企画経理部企画グループに出向している三井不動産野球部・工藤朋之監督は声を絞り出した。

 「浜田山のグラウンドがなくなって、三井の大会は年1回になっちゃった。たくさん試合をやりたいし、RBAでドームに行きたい」と、ドーム進出に意欲を見せる。入社10年目で、監督就任3年目だ。本人は過去2度、ドームを経験しているが、チームはここ3年、4強入りすらできていないでいる。

 同社は、日曜ブロック7連覇中のケンコーポを始め、優勝候補の東電不動産、トーシンパートナーズと同じ死のグループ=iCグループ)を引き当てた。昨年4強入りした三井不動産販売も同じグループだ。初戦の東電不動産に敗れても敗者復活戦で東電、ケンコーポ、トーシンのいずれかに勝たないと決勝トーナメントに勝ち進めない組み合わせになっている。

 勝つ可能性はないわけではない。6大学野球の公式戦で9勝を上げている慶大出の相澤投手が新卒として入社したからだ。万全ならどこにも負けない。優勝候補の筆頭に上げられる。

 ところが、肝心の相澤が万全でない。「肩を痛めており、残り2週間で投げるのは無理かも」(工藤監督)と心配するように、出場すら危ぶまれている。肩痛が直れば5年、10年は優勝できる逸材を、目先の勝利のために投げさせる危険を工藤監督が犯すわけはない。

 ここは東大野球部出身の肥田(37)と後輩の溝口に期待をかけるしかない。工藤監督も同社野球部スポークスマンの三井不動産投資顧問ストラクチャード・ファイナンス部第2グループ・竹澤正浩氏も異口同音に「肥田さんはすごい。野球センスは抜群」と絶賛している。(記者も同感。肥田投手はもともと外野手だが、野球は頭でやるスポーツ。むきにならなければ抑えられる) 他にはベテラン大場もいる。

 打力は強豪と引けを取らない。山上、工藤らは長打力もあり、打ち出すと止らない破壊力がある。しかし、野球はやはり投手力であることを本人もよく分かっている。「投手が…」

 工藤監督は言った。「いろいろ勝ち負けのパターンを考えて戦略を練った。しかし、策に溺れるとろくなことはない。ここは正攻法。開き直って全て勝ちに行く」と。死のグループ≠ナの星のつぶしあいから目が離せない。

                           (牧田 司記者 6月3日)