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清水建設 小寺−金子のバッテリー 息ぴったり

佐藤、ミス取り返す絶妙の隠し球


清水小寺投手(左)と金子捕手


はじける清水ナイン

1
2
3
4
 
合 計
東電不動産

清水建設

1x
(延長サドンデス)

東電不動産 好機生かせず 清水の好投見殺し 

 東電不動産・清水、清水建設・小寺の両投手が相譲らず6回までノーヒット・ノーランが続き、球史に残る投手戦となったが、結末はあっけない幕切れとなった。清水ナインは狂喜乱舞し、東電はサヨナラに泣いた。清水は10年ぶり4度目の優勝。東電は初優勝を逃した。清水は、水曜ブロック決勝戦、旭化成ホームズ−住友林業の勝者と総合優勝をかけて戦う。

 0−0のまま延長サドンデス(1死満塁で攻防)となった8回裏、清水の先頭の4番小寺はセカンドゴロで3塁走者吉田瑞は本塁封殺で2死となり、続く5番の代打諸橋のセカンドゴロを名手篠宮が1塁に悪送球して金子がサヨナラの本塁を踏んだ。

 清水打線は、7回無死から3番野村が中堅前安打するまで6回まで2つの四球と敵失で出た3走者のみ。併殺と牽制死もあり残塁は2のみ。東電清水に完璧に抑えられていたが、最後は勝利の女神が微笑んだ。

 小寺投手は6回2死から初安打を許し、7回には無死から東電田中に3塁打を浴びたが、その直後に3塁手佐藤が隠し球で田中を刺しピンチを救った。

  
左から隠し球でピンチを掬った清水佐藤、諸橋、試合後、健闘を称えあう小野監督(左)と山寺監督

東 電  席打安点
E 古 内3 3 1 0
H 五月女3 3 0 0
B 幾 田3 3 0 0
G 田 中3 3 1 0
@ 清 水3 3 0 0
C 篠 宮3 3 0 0
DH 金 子2 2 0 0
A 飯 塚2 1 0 0
D 森 正2 2 0 0
振球犠  …………
6 1 0  2423 2 0
……………………
清 水  席打安点
E 吉田瑞3 3 0 0
A 金 子3 3 0 0
G 野 村3 3 1 0
@ 小 寺3 3 0 0
B 吉田玲2 1 0 0
3  本 間1 1 0 0
H 橋 口2 1 0 0
C 野 尻2 1 0 0
D 佐 藤2 2 0 0
F 茂 野2 2 0 0
振球犠  …………
3 2 1  2320 1 0
……………………
投 手 回安振球責
清 水  7 1 3 2 0
……………………
小 寺  7 2 6 1 0
3塁打 田中
失策東電2 清水2
併殺 清水1
盗塁死 東電1 
牽制死 清水1
(記録は7回まで)

 東電にとっては何とも悔やまれる試合。2回、無死から3塁ゴロエラーで4番田中が2塁まで進んだが、1死から盗塁を試み失敗。7回には、この回先頭の4番田中が中堅越え3塁打を放ったが、隠し球を食らい憤死したのが痛かった。

 サドンデスでも、この回先頭の3番幾田が初球にエンドランスクイズを敢行したが、空振りして3塁走者森正が本塁封殺された。

 最後に痛恨のエラーを犯したセカンド篠宮はそれまで5つのゴロを無難に処理したが、最後の打球を処理した際バランスを崩した。

 清水投手は7回を投げ1安打を許したのみで完璧のピッチングを見せたが、打線の援護がなかった。

○山寺監督 いつものことだが、小寺がよく投げ、みんなよく守った。僕は何もしていない。みんなに感謝したい。相手はさすが。守りも堅かった。運もあった

○小寺投手 アドレナリンが出た。みんなの後押しも大きかった。ドームは投げやすかった

○金子捕手 小寺? 今日は最高

○諸橋 (ラッキーなサヨナラを誘うセカンドゴロを放ち)ヤバイと思った。運がいいだけ。2塁手は芝生に足を取られたみたい(ヂーム最年長の45歳。新潟高校時代には早実の荒木投手からヒットを打ったとか)

○佐藤 (隠し球は)線審にはちゃんと見えるようサインを送った。でも失策もしたし、牽制でアウトになっているのででチャラ

●小野監督 うーん。清水を見殺しにしてしまった。(サドンデスの場面では)初球エンドランスクイズだった。(隠し球は)全然、見ていなかった。どうやって点を取るかばかり考えていた。あれで流れが清水さんに向った。エラーは悔やんじゃいけない。来年はどこが相手でも勝てる試合をやりたい

●田中 (隠し球は)目を切っちゃった。誰も見ていなかった。(盗塁死は)スタートが遅れた。もう1回やり直しです

●清水 相手が予想以上によかった

●飯塚 あの投手は打てない

●篠宮 やっちゃいました。最後の最後に…

  
清水 小寺投手                   東電 清水投手


3塁打を放った東電田中(捕手は金子)


痛恨のエラーをし、しばし立ち上がれなかった篠宮(中央)を励ます東電ナイン(右端は小野監督。篠宮選手はぴっこを引いているようで故障発生? )


東電ナイン

東電不動産 関係者・家族ら約 300 人が応援

   
東電古内選手の総勢20人の応援団           古内選手と大学の同級生吉葉さん(右)とその友人

 東電不動産の大久保秀幸社長の粋なはからいで、同社チームの応援に関係者や家族など約 300 人が結集した。チームがドーム進出を決めたことを受け、大久保社長が「せっかくの機会だから、関係者みんなが楽しめるように」と試合当日にドームで社内行事を行うことが決定。開始2時間半前の午後5時から東京ドームを借り切って「子ども野球教室」を開いた。

 社内行事を終えてからもほとんど全員が残り、バルーンを打ち鳴らしてチームを応援していた。大久保社長は娘さんの結婚式とかで欠席した。

 森正選手は試合前、「勢いになるかプレッシャーになるか」と語っていたが、白熱した投手戦にナインも応援団も満足したに違いない。

 一方の清水建設も数百人に参加を呼びかけたそうだが、集ったのは50〜60人。山寺監督は「東電さんは本業でもたくさん仕事をもらっているお客さん」と気遣いを見せ、試合前も試合後も小野監督に挨拶していた。

   
東電飯塚選手の奥さんとご家族                 幾田選手と同じ職場の総勢16人の応援団

   
清水山中選手(右)の上司の同社経理部長・渡辺さん「会社でもかれはしっかり仕事している。心優しいし、将来の有望株。野球はちょっとツメが甘い」

  
清水茂野選手の同期の仲間(左)と清水の応援席

  
左から清水の数少ない黄金時代の主力メンバー斉藤、木、野尻各選手とその家族

 

(牧田 司記者 平成21年11月15日)