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長谷工コーポレーション 建築コストを20%削減した

「ブランシエラ川口青木町公園」が人気


「ブランシエラ川口青木町公園」完成予想図

 

 長谷工コーポレーションが建築コスト20%を削減した新企画「Be−Liv」マンション第1号の「ブランシエラ川口青木町公園」を見学した。

 物件は、JR京浜東北線西川口駅からバス10分徒歩5分、川口市上青木西1丁目に位置する6階建て全59戸の規模。専有面積は約63〜90平方b、価格は2.398万〜4.098万円、坪単価133万円。売主・設計・施工は長谷工コーポレーション、販売代理は長谷工アーベスト。竣工予定は2009年11月上旬。3月 5日から販売開始されており、現在、30戸が販売済み。来場者は約100組。

 「Be−Liv」とは、基本性能を維持し、華美な仕様・仕上げなどを見直すことで建築コストを最大 20 %削減、なおかつ居住性の高い住空間を実現したものだ。

 同社は、「土地代に対する建築費の占める割合が高い郊外部での単価抑制に効果がある」として事業主に対して積極的に採用提案を進めていくとしている。

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 現地の青木町公園周辺は、バス便ながら地元居住者を中心に人気の高いエリアで、一般的なマンションの単価相場は150〜160万円と推測される。それでも、現在の市場からすれば月に10戸も売れればいいほうだろう。同社のマンションは相場より10%以上は安く、わずか3週間で30戸が売れているのだから、ユーザーにも支持され、順調なスタートを切ったようだ。歩どまり率も高い。

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 建築コストが大幅に削減できた最大の理由は、躯体がシンプルにできていることが大きいと思われる。建物は全戸南向きの90平方b(2スパン)、80平方b(7スパン)、63平方b(1スパン)のみで、手摺・外部階段・化粧柱などをガラス素材にするなど軽量化を図っている。アルコーブをなくす一方で、隣の住戸の間に袖壁を設置することでプライバシーの確保を図っている。外壁は吹付タイルを採用。基本性能では、直床方式で二重天井、二重壁を採用。スラブ厚は200ミリ。

 設備・仕様もシンプルなものだ。標準仕様では、食洗機などはついておらず、リネン庫は扉なしだし、トイレの戸棚もついていない。浴室は 16 × 16 サイズ。洗面室は1面鏡を採用。

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 標準仕様は低価格志向のユーザーには支持されるだろうが、ワンランク上のものを希望するユーザーの満足には応えられないというのが記者の率直な感想だ。

 「Be−Liv」が優れているのは、同社が以前から採用しているオプションのアイセルコ≠さらに進化させたE−label <Vステムを最大限活用して、グレードアップ仕様に対応していることだ。E−label は、基本プランのほかに間取り、カラー、設備・仕様などを自由に変更できるシステムで、追加費用をローンに組み込めるのが最大の特徴だ。

 アイセルコは、一部の設備・仕様についてはあらかじめ標準仕様に組み込まれているのに対し、E−label はゼロ≠ゥら選べるシステムで、設備・仕様の選択権を全てユーザーに委ねたマンションということもできるかもしれない。もちろん、単価の安さはより広い住戸の購入を可能にすることは言うまでもない。

 モデルルームは、E−label をふんだんに採用した90平方bのタイプと、標準仕様の80平方bのタイプが設けられておりE−label タイプのものにはアイテム一つひとつに定価とローン価格が表示されている。例えば、下足入れ20万円が月々552円、木製ドア8枚84.000円が月々240円…などだ。メニュープランとして1000円コース(定価36万円)、2000円コース(同70万円)、3000円コース(同103万円)もある。

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 全てのアイテムに定価とローン価格が付いているのを見ると、何だか所帯じみて嫌な思いもするが、主婦の目からすればこれは優れたアイデアかもしれない。103万円の設備を購入しても、ローンにすれば家族の外食代にもならない。もちろん即金で購入することも可能だ。

 モデルルームを見学するデベロッパーの評判もいいという。郊外マンションでは大きな効果を発揮しそうだ。分譲単価にして坪100万円を切るかもしれない。 

(牧田 司 記者 3月26日)