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タウンネームが住居表示に採用された

 三井不動産レジデンシャル「ファインコートららシティ」


「ファインコートららシティ」街並み

 

5カ月で74戸完売 ランドスケープデザインが秀逸

 久しぶりにレベルの高い戸建て団地を見学した。三井不動産レジデンシャルが分譲中の「ファインコートららシティ」だ。

 物件は、JR武蔵野線三郷駅から徒歩10分、新三郷駅から徒歩10分(それぞれ団地入り口まで)、三郷市新三郷ららシティに位置する開発面積約66.000平方b、総区画268区画の団地。1戸当たり敷地面積は200平方b以上で、延べ床面積は平均約115平方b。価格は5000万円台、6000万円台中心。

 昨年10月から三郷駅に近い12街区94区画のうち74区画が販売されており、現在まで全区画とも契約済み・商談中だ。来場者は約800組。入居予定は3月下旬。施工は三井ホーム、西武建設、エステーホーム。

 主な特徴は、@新三郷駅前で開発中の約51ヘクタールの大規模複合開発「新三郷ららシティ」の一角に位置A8 〜12街区を結ぶ並木道「悠久の道」を整備、随所にクルドサックを設置したランドスケープデザインを採用B24時間警備員常駐タウンセキュリティCコミュニティの核となるテニスコートのある公園やクラブハウスD各住戸にコブシ、カツラ、エゴノキ、シラカシなど「家樹」を植樹――など。

 住戸プランでは、@購入時にキッチンの位置や形状が選択可能A水回り配管を複数個所に敷設、将来のリフォームに対応B1.25坪の浴室(一部を除く)C防犯ガラス、ペアガラスを全戸標準装備――などが特徴。


「ファインコートららシティ」街並み(クルドサック)

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 これほど優れたランドスケープの団地を見学するのは、埼玉県の団地では2000年の「彩の国さいたま景観賞」を受賞した積水ハウス「コモンシティ伊奈学園都市」(全172戸)以来だ。

 敷地面積が広いからだけではない。幅員約6メートルの並木道「悠久の道」は自然石が敷き詰められており、オープン外構の玄関周りや駐車スペースも街路と一体となった自然石が敷かれている。5つの住戸が大きな石畳のクルドサックを囲むように配置されているプランも素晴らしい。道路を管理するのは市だということだが、市もよく認めたものだ。

 「家樹」という発想も面白い。同社は、街づくりに「経年優化」を掲げるが、20年後、30年後にはこれらの樹木が美しい景観を形成することになる。「家樹」の管理は、管理組合を設置して管理するというのも納得だ。管理費は1戸当たり月額8750円だというが、管理組合はコミュニティ形成など団地の価値を向上させるのに大きな力を発揮しそうだ。

 コミュニティ支援では、同社は「デザインショップまちや」に委託し、2年間にわたってクラブハウスの運営サポートを同社負担で行う。

  
クラブハウス(左)と石畳敷きの悠久の道

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 もう一つ、驚いたことがある。何と団地の住居表示が「新三郷ららシティ」になったことだ。団地ばかりでなく約51ヘクタールの開発地全体が「新三郷ららシティ」になるという。

 「豊田」「日立」「東芝町」など企業名が市町名になっているところは少なくないが、タウンネームがそのまま住居表示として採用されるのは珍しいという。地元、市の賛意がないとできないことだ。団地名が住居表示として採用されているのは、同社の「パークシティ守谷」もそうだというが、記者は東京都日野市の「鹿島台」(鹿島建設)以外には知らない。

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 余談だが、行政に注文したいことがある。いま新三郷駅前は道路整備が行われているが、道路の両側のケヤキらしい街路樹は高さ5メートルぐらいしかない。いかにも貧弱だ。街路樹らしきものに育つまでにはあと20年はかかるだろう。

 三井不動産はシンホルツリーのケヤキを植えているが、高さは10メートルだ。せめて団地の樹木ぐらいのものを植えて欲しい。これでは、せっかくの「新三郷ららシティ」の住居表示が泣く。記者が行政の責任者だったら、すぐに植え替える。

(牧田 司 記者 3月25日)