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管理協 マンション建て替えに「研究会」設置 提案へ

 高層住宅管理業協会(理事長:黒住昌昭大京アステージ会長)は、マンション建て替えを円滑に進める方策を提言する。3月18日、恒例の記者懇親会で黒住理事長が明らかにした。

 記者団のマンション建て替えについての質問に答えたもので、黒住理事長は「マンション建て替えは喫緊の課題。早く手をつけないといけない。合意形成には個別対応が必要だと考えている。理事長の諮問機関として『管理システム研究会』を設置しており、建て替えの隘路は何があるのか、第三者管理方式も含め建設的な提案を行いたい」と語った。

 また、土橋隆彦副理事長(東急コミュニティー社長)は、難しい建て替えの現状について次のように語った。

 「当社は3年前、建て替えチームを設け、管理組合のコンサル的な対応を行ってきた。これまで 50 件の相談を受けているが、一つも話はまとまっていない。収支計画作成の段階でダメになる。容積率に余裕があるところとか、都心部の地価の高いところはともかく、郊外部では1戸当たり2000万円近く負担がかかってくるからだ。もう一つ、入居者の高齢化も問題で、建設費をねん出する経済的な余裕がないのが実態だ」

 黒住氏や土橋氏が語ったように、建て替え問題は喫緊の課題ではあるが、いざ具体化となると難問が山積しほとんど進まないのが現状だ。東京都をはじめ各自治体は容積緩和に消極的で、多摩市のようにダウンゾーニングを検討しているところもあるぐらいだ。

 建て替えを円滑に進めるために、国をはじめ関係者が真剣に考えなければならない。アイデアマンの黒住理事長がどのような提案を行うのか興味深い。

(牧田 司 記者 3月18日)