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 “ものがいいということに変わりはない”

モリモト「クレッセント町屋」の営業マン


「クレッセント町屋」完成予想図

 モリモトが分譲中のマンション「クレッセント町屋」を見学した。

 物件は、東京メトロ千代田線・京成線町屋駅から徒歩3分、荒川区町屋1丁目に位置する8階建て全37戸の規模だ。専有面積は約32〜90平方b。坪単価は250万円。完成予定は5月末。設計・監理はイクス・アーク都市設計、デザイン監修はケーオーデザインスタジオ、施工は川田工業。

 分譲開始は昨年6月で、現在まで約半数が契約済みだ。

 デザイン監修は、建築家の押野見邦英氏。建物外観は白のタイルが基調で、敷地形状に合わせるように緩やかなカーブを持たせているのが特徴。最上階のペントハウスは90平方メートル1戸のみとなっている。このほか二重床・二重天井、逆梁ハイサッシなどを採用。いつものモリモトのデザイナーズマンションと変わらない。エントランス、廊下、キッチン、洗面室などは“美”にこだわっている。

◇    ◆    ◇

 同社のマンションを見学するのは、昨年10月の「クレッセント横浜富士見丘」以来だ。その直後の11月28日、同社は東京地裁に民事再生手続開始の申立てを行った。記者にとってもショックであり、マンション見学もためらわれたが、引き続きマンションの販売を行っているので見学した次第だ。

 商品企画や販売状況も取材の対象ではあったが、もっとも知りたかったのは現場の営業マンの対応、意欲だった。“落ち込んでいないか”心配だった。

 しかし、記者の心配は吹き飛んだ。現地対応してもらった千田孝也氏は次のように語った。

 「民事再生はビックリしましたが、現場は全然めげてなんかいません。物件がいいということには変わりはありませんから。逆にチャンスだと思っています。会社の方向性がはっきりするからです。

 仮に、当社が最終的に残れなくてもゼネコンさんに工事を引き継いでもらえますし、住宅瑕疵担保責任保険にも加入予定ですので、お客さまの不安も解消されると思います。

 私は中途入社で7年目です。前職は販売会社でしたが、物件を売るにはセールスが必要でしたが、当社の物件は説明などいりません。ものを見ていただければその良さが分かっていただけますから」

 “説明などいらない”――誤解を与えるかもしれないので補足するが、一般的なマンションはあれやこれやセールストークを駆使して物件の魅力を訴えなければならないが、モリモトの物件はそのような説明などをしなくとも現物を見てもらったり、モデルルームを見てもらったりすれば、そのよさがよく分かってもらえるという意味だ。

 同社の経営陣も大変だろうが、このような営業マンのためにも再生計画をまとめてほしい。


リビング(モデルルーム)

 

(牧田 司 記者 3月5日)