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ニチモが民事再生 負債額757億円

 ニチモ(辻征二社長)は2月13日、東京地裁に民事再生手続開始の申立てを行い受理されたと発表した。負債額は757億円。

 同社は昭和30年設立。分譲マンションの老舗として業績を伸ばし、平成19年9月期には売上高665億円、経常利益28億円を計上していた。

 しかし、不動産市況の悪化により、平成20年9月期では102億円の純損失を計上。さらに平成21年9月期第1四半期にはたな卸資産の評価損121億円を売上原価に追加計上し、180億円の純損失を計上、167億円の債務超過となっていた。今後予定されている支払手形の決済資金の目処が立たない状態となり、今回の措置となった。

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 また老舗マンションデベロッパーが破たんした。同社のマンションについては、社名がニチモプレハブの時代から取材してきた。投資用ワンルーム事業もよく取材した。つい最近も「鶴見」や「八丁堀」の意欲的なコンパクトマンションを取材したばかりだ。

 同社の取材で印象に残るのはやはりユニバーサルデザインだ。同社は辻社長が就任した平成11年ごろからユニバーサルデザインを企業スローガンに掲げた。記者はこの方向こそ同社の生き残る道だと思った。「ルイシャトレ町田」のマンションではこれぞユニバーサルデザイン≠ニいう商品企画がヒットもした。

 ところが、その後は他のデベロッパーとの共同事業が中心になり、同社独自のユニバーサルデザインは消えていった。そんなに量を増やさず、ユニバーサルデザインに特化していればまた違った展開ができたのではないかと思うと、残念でならない。

(牧田 司 記者 2月13日)