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「不況知らず。入社7年目で今年が一番いい」
ポラスの住宅展示場・鈴木所長


左から岩田氏、鈴木氏

 

 「不況知らず。私は入社7年目ですが、今年が一番いい」――ポラスは2月12日、同社の注文住宅ブランドポウハウスの主力商品である洋の「アルジール」と和の「和美庵」の新モデルハウス記者発表会を開いたが、その発表会で川口鳩ヶ谷WB展示場店長・鈴木怜氏が記者団との会話の中で語った言葉だ。

 住宅・不動産市場が最悪の状況にあるのに、こんな言葉がなぜ出てくるのか。それもそのはず、今年1月2日からオープンした住宅展示場への来場者数も商談件数も昨年比で大幅に増加しているからだ。

 同社によると、今年のこれまでの来場者数は210組で前年比256%だという。同展示場には17社が出店しているが、その中でトップなのはもちろん、2位の169組を約40組も上回り、17社平均の103組の2倍以上を記録した。

 土地持ちの来場者が約7割と前年の約5割より増えているのが特徴で、20歳代、30歳代、50歳代の来場割合が前年の61%から80%に増加しているのも特徴だという。契約者もすでに4組を数え、16組について商談中という。

 このように好調なのが鈴木氏の言葉になっているのだが、同じ展示場のAZ展示場店長・岩田真一氏も「鈴木とは同期ですが、私も同じように感じています。変った建物というのがお客さまの印象に強く残られるのが再来場にもつながっている」と語る。

  
「和美庵」(後方が「アルジール」)                「アルジール」  

同展示場の2つのモデルハウスは、既存の春日部や松戸と同じように一つの敷地に2棟のコンセプトの異なる1棟30坪台のリアルサイズの住宅を配している。

 「アルジール」は、都市部の住宅密集地に多い旗竿地(敷地延長)の、旗の部分の奥行きが5.5メートルという厳しい敷地条件を設定しているのが特徴で、設計の工夫によりプライバシーの確保を図りながら採光と通風をいかに取り込むかがテーマの3階建て住宅になっている。

 記者が驚いたのは、1〜3階部分まで南側はほとんど壁か雪見窓のような明り取りしかなかったことだ。記者は注文住宅分野はよく分からないが、敷地延長の建売住宅が価格を下げてもなかなか売れないのをよく見てきている。隣の住戸との間隔が狭く、1階などの居室などにはほとんどプライバシーが確保できず、日照も期待できないからだ。

 「アルジール」は、この敷地延長の建物の難点を逆手に取った。その一方で、北側には採光(通風)用の大きなグレーチングバルコニーを設けている。これにはうなってしまった。間違いなく敷地延長住宅の救世主になれると思った。

 ただ、もう一つの「和美庵」は、さっぱり企画意図が理解できなかった。建物は2階建てだが、何と5層にも分かれていたのだ。入り口すぐに大きな土間があり、リビングはわざと半地下にしてあった。先輩記者に言わせると、画一的なモデルハウスが多い他社住宅と異なり、これだけのものが造れるという技術力を見せるのが主目的だという。

 それでも記者は理解できない。実際に建てるわけでもないものをなぜモデルハウスにするのか。ハウスメーカーの展示場展開はさっぱり分からない。まだマンションのモデルルームのほうが分かりいい。


「アルジール」2階のダイニングキッチン(テーブルとキッチンが一体となっているのが面白い。奥はサニタリーと猫足付き浴槽がある浴室)


「和美庵」の土間台所(友人を呼び、料理を振舞うのが好きな人にはたまらないかも)

(牧田 司 記者 2月13日)