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「くぬぎ山」「都筑」在庫処分に大貢献
リレーションアンドキャピタル


河本社長

 

 売れ残りマンションの販売促進に多大≠ネ貢献をしている販売会社を紹介しよう。リレーションアンドキャピタル(千代田区六番町、河本賢治社長)だ。

 まずは、その貢献ぶりを見てみよう。同社は昨年10月、総和地所の「ロータリーパレスくぬぎ山」の売れ残りマンションを買い取って販売しているが、11月から現在まで3カ月半で35戸を販売した。

 「くぬぎ山」は、総和地所が平成19年の年初から販売していた新京成線くぬぎ山駅から徒歩8分の全116戸のマンションだ。当初分譲単価は120万円ぐらいだったはずだ。竣工は19年の8月。施工は長谷工コーポレーション。

 ところが、市況の悪化で全然売れず、竣工後も半数以上が売れ残っていた。リレーション社が買い取る時点でも60戸が残っていたという。つまり竣工後1年以上が経過したにもかかわらず半数以上が売れ残っていたわけだ。

 今回、急速に在庫がさばけているのはもちろん値下げ効果だ。リレーション社の再販価格は当初の35%引き、坪単価にして85万円平均になっている。例えば当初価格が3010万円の74平方bの住戸は1960万円となっている。

 つまり中古マンション並みに価格を下げたのが第一の売れた要因だが、河本社長の次の言葉に記者は打たれた。

 「そんなにきつい営業はさせていません。反響営業だけです。やはり値下げの効果と100%無料の平置き駐車場というのも大きいですね。

 私どもはそんなに利益を取っていません。販売代理の手数料並みです。総和地所さんの事情もわかりますから、当社が暴利をむさぼるようなことはしません。在庫をさばくことは、既に入居されている方にとってもいいことで、当社にとっても営業マンのモチベーションを維持させるという意味でもいいことです。そして、何よりも業界が動いてくれることが嬉しい」

 河本社長は平成16年7月、扶桑レクセルを退社後、休眠状態だったこの会社を買い取り、マンションの販売代理などを行ってきた。「最初は社員数5〜6人でした。3年前の最盛期には25名ぐらいいて、年間240戸ぐらい売上げていました。今は12人。月に10〜14戸販売のメドがたちました。背伸びしないで、身の丈にあった仕事をしたい」と語っている。

 記者も同感だ。値引きは、既入居者にとっては複雑な思いだろうが、いつまでも未入居住戸を抱えているより早く満室になったほうがいいに決まっている。

 マンションは金融商品ではないのだから、値上がり値下がりに一喜一憂しないことだ。安く買った方を温かく迎える度量が欲しい。

 再販業者も、自社の儲けばかりを考えず、どうして業界を活性化させるかを第一義的に考えて欲しい。在庫処分が進むことは事業主にとっても、販売会社にとっても、ユーザーにとってもいいこと――つまり三方両得なのだ。

 リレーション社は、同じ総和地所の「ロータリーパレス都筑ふれあいの丘」の在庫5戸も買い取り、この1カ月の間に4戸を契約している。同社は「くぬぎ山」も「都筑」も買い増しする意向だ。

(牧田 司 記者 2月12日)