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在庫マンションに軍配 レベル低い新規物件に勝ち目なし

 竣工済み、あるいは竣工間際の在庫<}ンションと、これから分譲される新規<}ンションが入り乱れて分譲されるようになってきた。いわば新旧入り乱れて販売合戦が展開されようとしている。

 果たしてどちらに軍配が上がるのか。比較事例が少ない現段階で判定を下すのは難しいが、記者が見学した限りでは旧物件に無軍配を上げたい。新物件は、価格的には旧価格並みでインパクトはあるが、設備仕様は明らかに在庫物件に劣る。目の肥えたユーザーに支持されるか疑問と見た。新規物件の問題点をあげてみた。

 ある千葉県郊外の例だ。価格は在庫物件より1割ぐらい安かったが、直床で天井高も低く、使用されている設備、面材・建具類はいかにも安普請だった。素人目にもグレードの低さが分かるものだった。

 記者は一見して、これはダメだと思った。都心物件なら単価が1割異なれば、グロスは数百万円から1000万円ぐらい異なってくる。しかし、千葉の郊外だと1割の価格差はグロスにして200万円からせいぜい400万円の差だ。ユーザーは、この程度の価格差で、明らかに基本性能、設備仕様の劣るものを敢えて選ぶだろうか。

 むしろ逆の選択をするのではないか。在庫を何とか早く処分したいデベロッパーにとっては、レベルの低い物件が供給されることはプラスに働くはずだ。価格的なハンディを跳ね返すことは十分可能と見た。

(牧田 司 記者 2月9日)