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三井不動産 平成21年3月期 第3四半期決算
 増収増益をキープ

 三井不動産は2月5日、平成21年3月期第3四半期決算を発表した。売上高は9,435億円(前年同期比3.2%増)、営業利益は1,258億円(同23.3%増)、経常利益1.099億円(同17.9 %増)と増収増益となった。四半期純利益は529億円(同9.4%減)と、前年同期に固定資産売却益があったこと、有価証券評価損による特別損失を計上したため減益となった。

 「賃貸」では、「グラントウキョウノースタワー」や「赤坂 Biz タワー」「三井アウトレットパーク入間」「三井アウトレットパーク 仙台港」などが収益に寄与。オフィスビル賃貸市場では、都心部において空室率の上昇が見られたものの、首都圏オフィスの空室率 (単体) は2.5%と低水準にある。

 「分譲」は、計上戸数は前年同期に比べ減少したが、付加価値の高い都心物件などの計上が多く増収増益となり、投資家向け分譲では、オフィスビル売却などによる SPC からの分譲配当が収益寄与し増益となった。マンション分譲の契約進捗率は、当期計上予定戸数に対して約95%まで進捗している。

 一方、「仲介・販売受託・コンサルティング」は、法人向け仲介事業が大幅に減少し減収となった。

 通期の業績予想では、売上高1兆4.000億円(前回予想比△1.000億円)、営業利益1.700億円(同△200億円)、経常利益1.450億円(同△200億円)、純利益700億円(同△200億円)と、若干下方修正した。

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 さすがだ。各社が軒並み減収減益となる中、不動産最大手の同社が踏ん張った。希望の星というべきか。

 ただ、一つ気になる材料もある。マンションの完成在庫の増加だ。期末の完成在庫は649戸で、前年同期比196戸増加した。第3四半期の計上戸数は2.638戸だから、やや多いように思う。記者は、ユーザーのニーズに応えるためにも完成在庫はある程度抱えていたほうがいいと考えているが、年間供給量の1割ぐらいが適正在庫と思っている。この数字はやや高い。

 同社経理部長・弘中聡氏も「完成在庫は過去最高水準近くなっている。来場者の数は増えているが、契約まで時間がかかっている。やや積み上がり気味で推移しており、期末までに首都圏の大型郊外の竣工が控えているのでまだ増えるかもしれない」と、心配していた。

(牧田 司 記者 2月5日)