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限りなく旧価格≠ノ近い
住友商事・三井不動産レジデンシャル
「リエトコート武蔵小杉 THE CLASSY TOWER」


「リエトコート武蔵小杉 THE CLASSY TOWER」 (右)後方が「THE KOSUGI TOWER」

 住友商事(事業比率70%)と三井不動産レジデンシャル(同30%)が共同で近く分譲する「リエトコート武蔵小杉 THE CLASSY TOWER」を見学した。

 物件は、東急東横線・目黒線武蔵小杉駅から徒歩5分、川崎市中原区中丸子に位置する45階建て全542戸の規模。専有面積は約45〜110平方b、価格は3,200万円台〜12,500万円台(予定最多販売価格帯6,100万円台)、坪単価は245万円。建物は平成20年2月に竣工済み。設計・施工は鹿島建設。入居予定は3月下旬。販売代理は住商建物、三井不動産レジデンシャル、三菱地所リアルエステートサービス。

 昨年2月に建物が竣工していて、なぜ1年後に分譲されるのか。それには理由がある。この物件は、もともと鹿島建設が自社分譲、あるいは賃貸マンションとして計画し、平成17年に着工した。建物は同物件ともう1棟、45階建て542戸からなる総戸数1084戸の規模だ。

 その後、2棟とも賃貸とすることが決定。鹿島は昨年3月、投資会社のダヴィンチ・アドバイザーズの特別目的会社に売却した。ところが、戸数が多いこと、経済環境の激変などから募集状況が芳しくなく、ダヴィンチが住友商事と三井不動産レジデンシャルに売却。そのうちの1棟「THE CLASSY TOWER」が今回分譲されることになったものだ。もう 1 棟は賃借人を募集中で、1坪当たり1万円強だ。

 注目されるのは単価の安さだ。武蔵小杉エリアで最初のタワーマンション、伊藤忠都市開発、東京建物、ジョイント・コーポレーション3社JVの49階建て全689戸の「THE KOSUGI TOWER」が分譲されたのは3年前だ。分譲単価は220万円だった。続いて分譲された三井不動産「パークシティ武蔵小杉」(1437戸)も230万円だった。その後、街並みが整うのに伴って相場が上昇。坪300万円を突破した。

 つまり、今回分譲は旧価格≠ニまではいかないが、限りなくそれに近い価格設定だ。市場の悪化を考慮しても間違いなく売れる価格だ。新川崎の物件と比較しても若干高い程度で、価格競争力もある。

 懸念された賃貸仕様≠セが、建具・面材の仕様は坪300万円のそれではないが、もともとが分譲用として計画されただけに水準以上だ。標準階1フロアの住戸は12戸。間取りもいい。共用施設も他のタワーマンションと遜色ない。

 同エリアではこれから少なくとも3棟のタワーマンションが建つ。後に続く物件のためにもぜひとも不況風を吹き飛ばして欲しい。

(牧田 司 記者 1月9日)