RBA HOME> RBAタイムズHOME >2009年 >


残念!無念!日本綜合地所の会社更生法申請
  負債額3社で2142億円

 日本綜合地所(西丸誠社長)が2月5日、東京地裁に会社更生法の適用を申請した。負債額は1975億円。また、子会社の日綜不動産(市森賢治社長)と日綜ハウジング(木下康社長)も同日、同地裁へ会社更生法の適用を申請した。負債額は日綜不動産122億円、日綜ハウジングが43億円。3社合計で2142億円。

                            

 日本綜合地所は1993年(平成5年)2月、日本綜合地所として設立。マンション事業で業績を伸ばし、99年 11月にジャスダック上場、2001年12月に東証2部上場、 2003年3月に東証1部に指定替えとなった。2008年3月期売上高は973億円を計上していた。

 しかし、このところ急激に業績が悪化。採用内定者の取り消しを行わざるを得ない事態となり、社会的な話題にもなっていた。

 同社は、会社更生法の申請に至ったのは、「平成20年11月11日償還の第7回無担保社債について、金融機関に追加担保を提供して償還資金の融資を受けることができたものの、更なる担保の提供が困難な状況に立ち至ったため、その後、当社が金融機関から新規融資を受けることは絶望的な状況となり」とし、「平成21年2月上旬に期限が到来する建築代金の支払いに対応する返済の準備ができないため」今回の措置となったとしている。

◇     ◆     ◇

 このニュースを聞いたとき、モリモトが破たんしたのと同じショックを受けた。モリモトはデザイン性に優れたマンションを供給しているデベロッパーだが、日本綜合地所は一般サラリーマン向けに居住性に優れたマンションをたくさん供給してきた。記者がもっとも好きなデベロッパーの1社だ。

 西丸社長とは前職時代からのお付き合いだった。不動産会社社長としては珍しい建築出身だけに、とにかく商品企画がユニークで斬新だった。ほとんど100平方b以上という1805戸の「レイディアントシティ横浜」を早期完売したときは本当に嬉しかった。西丸社長が商品化に当たって「坪単価を130万円に抑えられれば、100平方bでも4000万円以下で分譲できる。必ず売れるはず」と語っていたのを忘れない。

 このほか、全開口サッシとオープンリビングを一体化させてオープンエアリビングの特許を取得したこと、奥行き4メートルのバルコニーを実現した。物件によっては廊下幅を1.4メートルも確保するなどけた違いの発想力を持っていた。

 ただ、供給量が増えるのはやや気になっていた。同社は販売力のあるほうでなかっただけに、急激な供給増は心配もしていた。ヨーロピアンスタイルはやや派手すぎて、記者は好きではなかった。

 原点に戻って再生してくれることを願いたい。

(牧田 司 記者 2月5日)