RBA HOME> RBAタイムズHOME >2009年 >


消費の半分以上は女性の意向で決まる

アート・ボックス「TRENDS EYE」のコラム


 先日、大京のマンションのキッチンや収納などの商品企画に女性の声を反映させた「ライオンズリビングラボ」の原稿を書いているとき、株式会社アート・ボックス「トレンド総合研究所」森肇社長から次のような「TRENDS EYE 091222 女性市場」と題するコラムをメールで送っていただいた。森社長の了解が得られたので、以下に全文を紹介する。

◇     ◆     ◇

 「女性市場」 今後5年間で女性の所得は推定5兆ドル増えると予測され、不況後の世界経済を女性が引っ張ると見られているようだ。

  国連婦人開発基金の資料によると、2008年世界全体で、男性の所得は23兆4000億ドル、女性の所得は10兆5000億ドルと、両者には倍以上の開きがあったが、賃金格差の縮小と女性の雇用の増加に伴い、今後2〜3年の所得の伸びは女性が男性を上回ることが確実視されている。

  既に世界の消費の半分以上は、女性の意向で決まっていると言われており、資産運用ではリスクを避けて、より簡便で透明性の高い個人向け投資商品を好み、金融などの業界再編を強力に後押しをする可能性もあると見られている。

 女性という国境を超えた巨大な新興市場の登場は、インドや中国の台頭に匹敵する影響を与える可能性がありそうだ。

◇     ◆     ◇

 森社長とは、不動産のタイムシェア事業について研究する国交省の会合でお会いしたのだが、その後、このような世の中の新しい動きについてレポートの形で送っていただいている。いつも興味深く読ませて頂いている。

 「女性市場」も、まさにマンションデベロッパーがもっとも力を入れなければならないことを象徴的に語っている。最近の最悪市場でも、単身女性をメインターゲットにしたコンパクトマンションが市場を牽引しており、ファミリーマンションでも、主婦の家事労働の軽減を考えた商品企画のマンションが売れている。個別デベロッパーを挙げると大京、野村不動産、三井不動産、コスモスイニシア、旭化成ホームズなどがとくに優れている。

◇     ◆     ◇

 アート・ボックスの「トレンド総合研究所」は、1990年7月から独自の方法で情報をモニタリングし、生活者の気分や現象、トレンドの行方などを考察、未来を予測する直感力の強い言葉として凝縮して、発信することを続けている。「TRENDS EYE WORDS」は次のホームページで閲覧できる。

http://www.artbox.co.jp/

(牧田 司 記者 12月24日)