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三井不動産「柏の葉キャンパス」

世界に通用するスマートシティプロジェクト始動

 

 三井不動産は12月18日、SAP AG 、シャープ、日建設計、日本ヒューレット・パッカード、イーソリューションズ、一般社団法人フューチャーデザインセンター ( 略称:FDC) とともに、FDCの理念である国家的課題の解決を具体化するFDCプロジェクトの第一弾である「スマートシティプロジェクト」を共同で開始すると発表した。

 スマートシティプロジェクトは、@再生可能エネルギーの導入と省エネルギー化の促進によるCO2排出量の削減A世界各地の地域ニーズへの対応BQuality of Lifeの向上C日本の環境産業への貢献(雇用創出へも)を目的に、その先進モデルを「社会システム」として日本・世界に展開することを目指す。

 環境エネルギー関連の市場は巨大な世界市場が形成されつつあるが、わが国の従来型アプローチでは世界展開力がないとし、同プロジェクトでは世界チャンネルを保有する企業と連合して世界各地の多様なニーズに対応可能な仕組みを設計していくという。

 FDC は、前東京大学総長(現株式会社三菱総合研究所理事長)の小宮山宏氏が提唱し、2009年7月に東京大学総長室顧問山田興一氏、三井不動産、イーソリューションズなどにより設立。千葉県柏市・柏の葉キャンパスに拠点を置き、同エリアにキャンパスを置く東京大学と連携し、環境・食糧・医療・教育など日本や世界が抱える課題をしっかりとした構想(将来ビジョン)のもとに位置づけ、我が国の知力・技術力を結集し、課題解決へ向けた具体的な「先進モデル」を世界に発信していく組織。

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 三井不動産は、「柏の葉キャンパス」で千葉県、柏市、東京大学、千葉大学とともに産・官・学共同の街づくりを進めているが、今回のFDCの設立、スマートシティプロジェクト始動はその一環だ。

 ニュースリリースにも書かれているが、わが国は、言葉の問題もあるのだろうがどうも国際社会から孤立しがちなのを感じる。

 先のオリンピック招致の失敗でも、石原都知事は「わが国はロビー活動が足りない」と語ったし、いま論議されているCOP15でも、鳩山首相が目指す「2020年までに温室効果ガスを1990年比で25%削減する」目標は、全世界から歓迎されると思ったが、どうもそうではないようだ。

 わが国がガラパゴス化≠オないため(しているのかもしれないが)にも、今回のプロジェクトに期待したい。

(牧田 司 記者 12月18日)