RBA HOME> RBAタイムズHOME >2009年 >


「リーディングプロジェクトは当社の支店、親戚の関係」

アキュラホーム 13社のリーディングカンパニー発表


リーディングカンパニー13社のうちの一社「山里建設の山里社長

  「当社の動向は、同じ地域工務店の浮沈のカギを握る」山里社長

 アキュラホームは12月8日、記者懇親会を開き、宮沢俊哉社長が最近の会社概況について説明するとともに、新たに立ち上げた「リーディングプロジェクト」について紹介した。

 宮沢社長は、今年3月から販売開始した550万円の企画住宅「新すまい55」については、「営業活動を行うと赤字になるので反響だけで受注できるよう努力はしたが、全体の業績の足を引っ張る形となった。それでも当社を知っていただく機会になったし、550万円で家が建つことを知っていただいた効果は大きい」とし、11月末で75棟の受注があったことを明らかにした。

 長期優良住宅の販売については、同社が178棟、ジャーブネット各社が185棟、合計で363棟を販売。「当初目標の1,500棟からすれば、3月末までは達成は難しいかもしれないが、都道府県別の補助金受理件数ではメンバーが圧倒的な実績を残している」と語った。

 今期売上高については、「通期で前期比116%の322億円を達成できる見込で、経常利益でも前期を上回っており、ほぼ計画通りに推移している」と述べた。

 「リーディングプロジェクト」とは、「リーディングメンバーが、エクセレントカンパニーになると共に、ジャーブネットの全会員を先導し、住宅業界を変えていく」のが主旨で、今回、ジャーブネット会員約500社の中からリーディングメンバー13社を選定した。

 選定に当たっては、各社の財務内容、経営姿勢、施工現場などを精査し、個別面談も行った末で決定したという。

 宮沢社長は、「13社は当社の支店でもあり親戚のような関係。それぞれの強みを発揮し、お客さまに喜んでもらえるようもてなし、ふるまい、匠の心を広げていきたい。そのためには、当社の公開できる情報は全て公開し、情報の交換・共有化を進めていく。私の携帯もお伝えしたぐらいだ」と語った。

◇     ◆     ◇

 記者は、「リーディングプロジェクト」に関する宮沢社長や各社の代表の声を聞きながら、なにかにつけ官僚的で中央集権的な行政制度や国のありようを変革するのは、このような自発的な組織かもしれないと感じた。

 記者は当初、この組織は長期優良住宅や「新すまい55」の販売・普及の先導的な役割を果たすものだと考えていたが、そんな限定的な組織ではないことがよく分かった。

 宮沢社長は「地域の事情も異なる。当社が一方的に押し付けるようなことをしない。あくまでも各社がその地域のエクセレントカンパニーに成長するのが目的」と語ったように、双方が連帯・連携しながら、厳しい時代を乗り切っていこうということのようだ。

 この日、紹介されたのは、仕事の都合などで出席できなかった6社を除く7社。それぞれが各地域で実績をあげている会社や老舗企業、あるいは太陽光発電など先端的な住宅づくりを行っているところばかりだ。

 そのうちの1社「山里建設」(群馬県前橋市)は、記者が個別取材もさせていただいた。山里昌史社長は「当社のこれからの実績が、同じ地域工務店の浮沈のカギを握る。地域に愛される、地域に必要とされる企業にしたい」と語った。山里社長へのインタビュー記事については機会を改めて紹介したい。

◇     ◆     ◇

 宮沢社長のカンナ削りを初めて見せていただいた。玄人だから当たり前とはいえ、檜の薄皮(かんな屑)が途切れることなくスルスルとはきだされるのにビックリした。

 カンナで削った檜の薄皮を手づくりの名刺にする手順も見せていただいた。名刺はナンバリングも行っており、これまで1,643枚に達しているという。面積にすると約8.37平方bだ。

  
実演してみせるカンナ℃ミ長 宮沢氏   手づくり名刺について説明する宮沢社長

アキュラホーム 550 万円の「新すまい 55 」モデルハウス見学会(3/30)

(牧田 司 記者 12月8日)