RBA HOME> RBAタイムズHOME >2009年 >


 マリモ「弊社の健全な経営状況について」公開

深川真社長 原稿用紙20枚に込めた心のメッセージ

 

 マリモは11月27日付で同社のホームページに深川真社長による「弊社の健全な経営状況について」と題する長文を掲載した。文字量は400字原稿用紙にして20枚にものぼるものだ。

 深川社長は、この長文を掲載した理由について次のように述べている。「あっという間に 1 年という激動の時期が過ぎ去った…ご覧頂く方、様々な見方によっては、皆様に公開するのには不適切な面があるかもしれませんが、より弊社をご理解いただきたいとの一心からであります」

 この 1 年間の具体的な対策と状況については、「昨年2008年2月には緊急幹部会を開催し、全ての進行中事業を見直し…20プロジェクトに関して事業中止、用地売却、会社規模の縮小を決断…売上げにして400億円分の事業を中止するという決断は、年商 600億円程度の弊社においては、会社を半分にするという決断であり…今振り返ると、その早めの意思決定こそが、今回の不況克服のターニングポイントであった」と述べている。そして「痛みを伴う徹底的な縮小をしていたところに、前向きな光明が見えてきた」と語っている。

 このあと、2009年7月期の決算説明を行い、2010年7月期の決算見込については「40周年となる今期が最も厳しい年であると認識しています」とした上で、売上高41,777百万円、営業利益1,529百万円、経常利益610百万円、当期純利益240百万円としている。

 最後に深川社長は、「今まで10あった需要が5に減少しただけです。その5の需要を的確につかみ取り、お客様が求めるものを、求められる適量だけ供給していきたい…地方都市の疲弊が叫ばれて久しい…だからこそ逆に弊社のような地方都市を専業とするデベロッパーも必要とされているのだと…その地方における雇用を創出できます…金融機関さんが潤います。家具屋さん、引越し屋さん、家電屋さんなど、家が売れると付随する様々な産業が少なからず潤います」と締めくくっている。

 ◇      ◆     ◇

 人は言うこととやることが異なる場合があるが、物件は嘘をつかない。会社の姿勢や経営者の考えを赤裸々に映し出す。だからこそ記者は物件を見ることを心掛けている。 同社のマンションのモデルルームや建物も5物件ぐらい見学している。

 記者は、深川社長とは一度も面識がないが、今回の深川社長の言葉は一語一語が心に響いてくる。一つ一つの言葉をマンションの企画に置き換えたり、営業マンのことばと照らし合わせて読んでいるといったほうが正確かもしれない。嘘偽りのないストレートなもの言いがユーザーの心に響くはずだ。

 地方都市でのマンション事業は、首都圏と比べものにならないぐらい厳しいはずだ。深川社長は「全ての事業用地について、社長である私自身が現地に赴き、この目で場所を確認し、マンションがそこに建設されたとイメージし、事業計画を精査、確認した上でなければ購入しない」とも述べている。めききを研ぎ澄まし、この荒波を乗り切って欲しい。 

「弊社の健全な経営状況について」(同社ホームページより)

(牧田 司 記者 11月30日)