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管理協が設立30周年記念講演  300名が参加


「高層住宅管理業協会 設立30周年記念講演」(大手町・日経ホールで)

 高層住宅管理業協会(理事長:黒住昌昭大京アステージ会長)は11月9日、協会設立30周年記念事業の一環として「高層住宅管理業協会 設立30周年記念講演」を行った。関係者約300人が参加した。

 講演は、黒住理事長が「マンション管理業のあり方、将来像」と題して基調講演を行ったあと、明海大学不動産学部教授・齋藤広子氏の司会によるシンポジウム「未来のマンション生活を考える 〜マンションの居住者、建物の高齢化対応を通して〜」を行った。パネリストは国土交通省総合政策局不動産業課長・海堀安喜氏、長谷工コミュニティ社長・大高進氏、中銀インテグレーション社長・渡辺蔵人氏、関西大学環境都市工学部建築学科専任講師・馬場昌子氏。

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 記者は、他の取材のためシンポジウムからしか参加できなかったが、同協会が目指す「住生活総合サービス業」とはどのようなものかを探る意味で興味深い内容だった。

 もっとも注目したのは未来のマンション生活≠ナのマンション管理会社のかかわり方について各パネリストが語った言葉だった。

 渡辺氏は、同社が管理するライフケア住宅について触れながら、「居住者と管理会社とのコミュニケーションを豊かにすることが必要。さらに、地域との連携や世代を超えたコミュニティの形成が求められる。管理会社はコーディネート役として絶好のポジションにいる」と語った。同社は、ライフケア住宅の管理に関し、ハード面は管理組合と管理会社が管理委託契約を結び、ソフト面では居住者と個別契約を結んでいるという報告も行った。

 大高氏は、生きがい、充実感の創出、高齢者対応、長期修繕計画などについて述べながら、「専用のホームページが組合活動やコミュニティ活動に成果を上げている。高齢者が積極的にコミュニティ活動に参加できるような支援活動も行っている」と述べた。

 海堀氏は、「厚労省が進めている高齢者住宅支援員制度や地域包括支援センターなどの行政と連携しながら地域との絆を強めることが重要。持続可能な仕組みが大事だ」と強調した。

 馬場氏は、関西での管理組合の自主的で先進的な活動をいくつか紹介しながら、「これらの居住者の元気な活動を皆さん(管理会社など)がしっかりサポートし、様々な情報を提供することが必要」と語った。

 齋藤氏は、今後の管理のあり方について福祉的サービスを直接行うことや、居住者の資産管理まで踏み込むことなどの必要性などについて示唆した。

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 シンポジウムは、管理協の会員会社が主な対象者だったようだが、管理組合関係者も参考になる内容だと思った。それぞれ各氏は先進的、先駆的な活動について報告したが、このような活動が管理組合や居住者がインターネットなどで簡単に知ることができるようなシステムが必要だ。

(牧田 司 記者 11月9日)